看護部の取り組み
私たち看護部は、「HEART・fullメッセージ2008」を基本的な考え方として、ご利用者一人一人を大切にしながら、より質の高い医療や看護の提供を目指して、日々努力を重ねています。
「HEART・fullメッセージ2008」
私達は、すべての人への人間愛の精神を大切に
ぬくもりある医療福祉をもって社会に貢献します。
看護部の理念
- ご利用者の思いを尊重し、親切で信頼される看護を行います。
- 笑顔とチームワークで、安全・快適な場をつくります。
- ご利用者に安心していただけるよう、精神科の専門職として、必要な技術・看護を実践します。
- 地域社会に根ざした、継続した看護を行います。
看護の概要(R2.4.1現在)
全職員数 |
274名 |
うち看護部 |
160名(部長含) |
看護師 |
73名 |
准看護師 |
50名 |
看護助手 |
34名 |
その他 |
2名 |
看護体制、看護方法、看護記録
看護体制 |
1病棟・3病棟(15:1) 2病棟・AC(13:1)5病棟(10:1) |
看護方式 |
機能別看護+受持制看護 (プライマリーナーシングをしている病棟もあります) |
看護記録 |
フォーカスチャーティング |
勤務体制 |
日勤、夜勤(2交代、3交代)早番、遅番、午後出など |
チームで看護を展開。受持看護師が中心となりケースカンファレンスを行い、ご利用者自身が早期に地域へ戻れるよう関わっています。
病棟の特徴
全病棟男女混合
病棟名 |
特徴 |
病床数 |
1病棟 |
慢性期閉鎖病棟 |
68床(保護室3床)観察室2床 |
2病棟 |
急性期治療病棟(閉鎖・開放) |
30床(保護室3床)観察室1床 |
3病棟 |
慢性期開放病棟 |
70床 観察室2床 |
5病棟 |
特殊疾患閉鎖病棟 |
60床(保護室2床、観察室6床) |
アルコールセンター |
依存症急性期治療開放病棟 |
30床(保護室2床)観察室2床 |
看護教育体制
- 目的
- 自己啓発により看護者としての専門性を高め、人間性に富む看護を実践できる。
- 体制
- 新人さんにはプリセプター制度を用いて、臨床実践をサポートしていきます。
また、スタッフ全体でもサポートをしていきます。
看護部長の挨拶
看護部の職員は、弊病院に入院・通院されている統合失調症を主とした精神疾患の急性期から慢性期の患者様及び、日常生活に多くの介助を必要とされている患者様をはじめ、弊法人の利用者様すべてに対し、人間愛の精神を大切に、ぬくもりのある医療福祉を提供できるよう、能力の向上に努めております。
弊病院の特色の一つであります、県内唯一のアルコールセンター(精神科急性期治療病棟)では、日本精神科看護協会認定の精神科認定看護師をはじめ、多くの看護職員が依存症関連の研修会等に参加し研鑽を積み、県内外から入院する様々な依存症の患者様のリカバリーを目指し、弊病院独自のプログラムで支援を行っております。また、定期的に「行軍」を開催しており、長い道のりを一歩一歩共に歩むことで、仲間意識が育まれ、自然から多くの恩恵を受けながら目的地に到達する達成感は、退院後の断酒生活に役立つと信じ、看護職員も患者様と共に歩いております。さらに、苦しみや、回復の喜びを共に分かち合える仲間の存在が、回復の助けになるといわれている自助グループへの参加を支援する等の取組を積極的に行っております。
他の病棟においても、入院初期から患者様には多職種で企画運営するプログラムにご参加していただき、リカバリーを目指した関わり等を行っております。「人間愛の精神」「ぬくもりのある医療」を常に意識しながら、患者様と共に過ごす時間を大切にしております。
また看護部では、弊法人の方針に基づき、障がいの有無にかかわらず全ての職員が活き活きと前向きに仕事に取り組み、笑顔あふれる職場環境づくりに努めております。
看護部長 宮川 香苗
外来の紹介
外来では親切・丁寧をモットーに、現在4名の看護師で対応しています。体調を崩したご利用者がいないか、困っているご利用者がいないか、常に待合室に関心をもち、目を向けています。ご来院の際、何かお困りのことがございましたら、遠慮なくお申し出ください。
また、電話による対応にも、親切・丁寧を基本にお話を伺っております。ご相談の中で私共の声を聞いていただき、ご利用される皆様のお役に立てることがあれば幸いです。
- 初診の方は予約制になっています。医療相談・地域連携室に電話して予約して下さい。(予約受付時間9:00~17:00)(緊急の場合を除きます)
- 当院では統合失調症をはじめ、摂食障害・アルコール依存症・うつ病等の専門医師がおりますので、気軽にご相談下さい。
- 当院では薬剤師外来があり、お薬の事でお困りの方は、ご相談下さい(要予約)
- 外来通院されている方へ 在宅で困っている事があれば、訪問看護による対応が出来ます。
- 関連施設としてデイケア・支援センター・作業センター・ハピアすみよし等があります。
- 外来利用者数 平均80名/日、多い時では150名近くなる事もあります。
- 待ち時間
- 予約制のためスムーズな診療が行われていますが、診察状況により、多少お待ちいただく場合があります。
- 処方
- 原則として薬の処方のみはできませんので、必ず医師の診察をお受けください。
- 薬局
- 薬は院外処方となります。かかり付けの調剤薬局か当院北側にも調剤薬局がありますので、ご利用ください。
診察室は第1診察室から第5診察室まで5部屋あります。順番になると医師が各診察室から番号でお呼びしますので、診察室へお入りください。
このとき不在だった場合は後で再度お呼びします。
必要に応じて診察後、尿や血液検査をお願いすることもあります。
地域支援室の紹介
当院の地域支援室(訪問看護)は、現在、看護師1名、精神保健福祉士1名の、計2名にてご利用者の生活及び、症状の再発防止に関する支援を行っています。
登録利用者数は50名を超え、月ごとの訪問件数は、約100件です。
- 訪問看護はどんな事をしてくれるの?
- 訪問看護とは、訪問スタッフがご利用者のご自宅へ伺い、生活に関する支援、アドバイスを行います。
生活の中で不安や悩み事、生活リズムの調整に乱れがあると、病気の悪化が起こります。再発を予防し、入院を極力しないように援助することが私達の目的になります。
また、私達が定期的に訪問する事により、内服による副作用の症状や、相談内容等を医師に伝える事で、内服の調整がスムーズになります。
- 病院から職員が来る事に緊張してしまうのですが・・・
- 私達はご利用者にとって、サポーターであると考えています。地域で生活する事を応援するのが私達の仕事です。ですから緊張せずお気軽に何でも相談して下さい。
- 訪問時間と料金は?
- 1回の訪問は30~60分程度です。訪問看護は医療での訪問になります。加入している健康保険や使っている制度により、お支払い頂く利用料金が異なります、ご不明な点はお気軽にご相談下さい。
ただし、交通費として、次回の受診時に1kmにつき、20円の実費を頂いております。
- 家族の相談も可能ですか?
- 病気に関する相談や、ご利用者に対するご相談も、訪問の場面にてお聞きする事が可能です。ご家族の方も健康に生活して頂くことが、ご利用者の社会復帰に欠く事のできないことです。
- 近所に病院から訪問に来ている事がわかってしまいますか?
- 訪問看護のスタッフは私服でお訪ねし、病院名の入っていない軽自動車で伺いますので安心してご利用下さい。
- 訪問時にお茶など用意しなければいけませんか?
- お心遣いは一切不要です。訪問予定時にご自宅にいて下さるだけで結構です。
1病棟の紹介
慢性期閉鎖病棟の為、入院期間が長い患者様が多い病棟です。
患者様のお話に耳を傾け、一緒に回復に繋げられるようなケアをさせて頂いています。
閉鎖病棟の為、不自由な思いを感じる方もおられると思いますが、圧迫感に配慮して、季節 を感じられるようなレクリエーションも実施しています。
また、明るい南側のテラスを開放して、ストレス緩和や風通しの良い空間づくりをしています。
患者様の中には、開放病棟より当病棟を希望される方もおられることから、安心できる環境 を提供させて頂いていると考えております。
1病棟の1日のスケジュール
6:00 |
起床 |
7:30 |
朝食 |
8:45~9:00 |
朝薬・環境整備 |
9:30~ |
入浴(月•木) 地域生活準備プログラム(金) |
11:30 |
昼食 |
11:45 |
昼薬 |
13:30 |
買い物(月・木) 病棟レクリエーション(火・金) 作業療法(月・火•水・木)【週により変動あり】 |
15:00 |
おやつ(土・日・祝日は14:30) |
16:20 |
ラジオ体操 |
17:00 |
夕薬 |
18:00 |
夕食 |
20:00 |
就前薬 |
21:00 |
消灯 |
- レクリエーション
-
- 病棟レクリエーション
DVD観賞、カラオケ、職員主催のお楽しみレクリエーション(スイカ割り、かき氷など)
- なかよしグループ
開放病棟への第一歩となることを目指し、ご利用者が病棟、OT室にて好みに応じた活動。
- アクティブタイム
ミーティングを行い、ご利用者との意見交換の中から、レクリエーション内容を決めて実施しています。(喫茶店、買い物など)
- 1病棟のいい話(ご利用者からの一言)
-
- 開放病棟と違い、物を管理してくれたり、声をよくかけてくれたり、安心できる。
- 保護してもらえる感じで安心して入院生活が送れている。
- 閉鎖病棟の中でも楽しみもあります。
- 開放的で明るい食堂で食事することで、ご利用者同士の会話も弾み、楽しく食事が頂けています。
- テラスは開放的で季節や風を感じる事が出来ます。
- 職員は笑顔で、「親切な対応」をしてくれます。
2病棟の紹介
- 病棟理念
- 私達は患者様・ご家族のリカバリー(回復)を信じ、安心して話し合える環境と専門的ケアを提供します。
2病棟は、2018年10月に新築された新しい病棟です。この病棟では理念のもと急性期にあるご利用者に早期退院に向けて集中した治療を行っています。
病棟の構造は閉鎖区域と開放区域に分かれており、病床数は30床(保護室3床含む)で、うち個室が7床あります。個室の中の1床は特別室(トイレ、シャワー付き)でご利用者の症状やご要望に合わせて治療環境を提供します。
なお入院治療において、プライマリ―制で個別性のある看護の提供と多職種による多様な治療プログラムを設定しています。また喫煙が薬の効果を半減してしまい治療に悪影響を及ぼしてしまうことから、病棟でも断煙プログラムを行っています。ご家族様に対しても家族教室を開き疾患の理解など今後の生活に繋げられるプログラムも用意しています。
週間スケジュール
※横スクロールでご覧下さい。
|
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
午前 |
健康チェック(第1・3週) 他職種プログラム(第2・4週) |
作業療法 |
作業療法 |
作業療法 |
作業療法 |
自己学習 あおぞら会(家族教室)(第2週) |
自己学習 |
午後 |
IMR(ストレス対処) |
みんなの会(SST) |
心理教室 |
IMR(リカバリー) |
もやもや会(断煙)(第1・2・3週) 病棟レク(第4週) |
つむぐ会(読書会)(第1・3週) 自己学習 |
自己学習 |
3病棟の紹介
- 病棟の特徴
- 日中は散歩、買い物(病院周辺)などでき、開放的な雰囲気の中で入院治療が行えます。
慢性期で長期に入院されているご利用者と他病棟で急性期を終え、治療を継続しながら社会へ参加されるご利用者などが混在する病棟。
安定した入院生活の援助や退院支援・退院後の生活を見据えた援助を行っています。
病室は、4人部屋が14室 2人部屋が7室 観察室が2床あります。
週間スケジュール
ラジオ体操 |
毎朝 |
作業療法 |
月~土 午前 |
地域生活準備P |
金曜日 午前 |
SST |
水曜日 午後 |
レクリエーション |
月1回 |
病棟懇談会 |
月1回 |
5病棟の紹介
特殊疾患閉鎖病棟 |
60床(保護室2床・観察室6床) |
- 病棟の特徴
- 統合失調症を主とした精神疾患に身体疾患を合併したご利用者が療養生活を送っている病棟です。ご利用者の日常生活自立度(寝たきり度)ランクB・Cの方が入院数の80%以上を保っている特殊疾患病棟で、高齢者が多いです。
- 病棟環境
-
- 4人部屋が11室、2人部屋が4室(個室として使用する場合もあります)
また、看護室に隣接した観察室(6床)があります。
- 広々としたホールで個々に食事をとることができます。廊下には手すりがあり、また車椅子が余裕をもってすれ違うことが出来るほど広い廊下となっています。
- ホールから中庭に出る事ができ、日光浴や軽い運動が出来ます。
- 看護の取り組み
-
- 栄養、排泄、睡眠、清潔に関するケア、介護を個別的に行っています。
- 残存機能、ADLの維持・向上、離床の機会を増やせるよう看護・介護の面からアプローチしています。
- 身体面の看護と同時に精神症状への看護を行っています。また、抗精神病薬の長期服用による副作用の観察、看護も行っています。
- 作業療法、レクリエーション、音楽療法、クラブ活動などを通して、ご利用者・職員との交流や楽しみ、リラックスの時間を持っています。
週間スケジュール
レクリエーション活動 |
月1回病棟レクリエーション |
クラブ活動 |
第1・3火曜日(コーラス、習字、リラックス)※現在、休止中 |
作業療法 |
水曜日 午後※現在、休止中 |
お元気グループ |
月曜日 午後※現在、休止中 |
音楽療法 |
木曜日 午後(1病棟にて実施)※現在、休止中 |
学習会 |
月1回 |
アルコールセンターの紹介
依存症急性期治療開放病棟 |
30床(保護室2床)観察室2床 |
アルコールセンターは依存症の専門病棟です。山梨県内では、唯一の専門病棟になるので、病棟内のご利用者のほとんどが、アルコール依存症の方ですが、薬物依存症などその他の依存症の方も同じ病棟で対応しています。
アルコールセンターには、月間予定表があり、その月の活動内容は決まっています。アルコールリハビリテーションプログラム(ARP)に沿って、毎日学習し、知識を深め、自己を見つめていただく内容です。
週間プログラム(一例)
※横スクロールでご覧下さい。
|
月曜日 |
火曜日 |
水曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
午前 |
自治会活動 |
健康管理 読書会 |
自主学習 |
陶芸 |
断煙の会 |
午後 |
行軍 |
スポーツレクリエーション |
グループミーティング |
院内例会 |
小グループ |
他にも家族会、ミニ行軍、月例会、SARPP・心理プログラム、院内メッセージ、NA(薬物NarcoticAnonymous)ミーティング、ダルクメッセージ、体力測定などのARPも行っております。
夜間には、自助グループという、地域で行われている断酒例会や、アルコホーリクス・アノニマス(AA)に希望者は職員と一緒に参加します。
入院は3カ月が1クールになります。その3カ月の中で、ARPでの学びを通してどれだけ真剣に自分自身と向き合う事が出来たかが、とても大切になってきます。
そして、退院後の生活をイメージし、デザインしていくかが重要な課題となります。
ご自身にアルコールの問題がある、又は、ご家族にアルコールの問題がある方は、お気軽に病院へ相談してください。解決できる方法を一緒に探してみませんか。
病棟の看護師一同、皆様の抱える問題と共に向き合っていきたいと思っています。