老年期精神障害とは
老年期認知症の他に、夜間せん妄(もう)、幻覚妄想状態、躁(そう)状態、うつ状態などがあります。
- 老年期認知症
- アルツハイマー型老年期認知症、脳血管性認知症、初老期認知症、レビー小体型認知症などに分類されます。知的機能の低下のために、健忘(けんぼう:物忘れ)、記銘力低下、迷子、徘徊(はいかい)、不潔行為、衝動行為、屎尿(しにょう)失禁などをきたします。
- 夜間せん妄
- 興奮と幻覚、妄想、失見当識(しつけんとうしき:時とか場所が解らない)などを夜間にきたす状態です。
- 幻覚妄想状態
- 「誰かが部屋に入って来る」「子供がいる」というような幻覚、「物を盗られた」という物盗られ妄想、嫉妬(しっと)妄想がよく見られます。
- 躁状態
- 易怒(いど:イライラ)、不機嫌、衝動的暴力行為などが見られます。
- うつ状態
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便秘など身体症状にこだわり、心気神経症的※になることが多いです。ひどいうつ状態では、痴呆症との鑑別が困難な場合があります。
※心気障害:重い病気に罹っているのではないかという考え(固着観念)にとらわれて、他者にそれを訴え続ける状態。