精神科薬物療法サポートセンターの設立について
令和4年4月1日付けにて、公益財団法人住吉偕成会に住吉病院精神科薬物療法サポートセンターが設立されました。
精神科薬物療法サポートセンター設立の目的は、精神科薬物療法をはじめとした薬物療法全般の支援・調査・研究を行うことです。
現在、精神科医療における向精神薬の適正使用は、精神疾患を持つ患者さんのリカバリーを支える治療の中心的課題です。しかし、国内においては、依然として抗精神病薬の多剤併用大量処方やベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬、抗パーキンソン病薬等の不適切使用等が問題となっており、精神科薬物療法の適正化は、患者さんやそのご家族のみならず、医療従事者にとっても大変重要な課題です。
当センターでは、サポートの対象を住吉病院及びリカバリーセンター「すみよし」などの弊法人利用者の方々のみならず、法人内外のより広い地域でのサポートも視野に入れています。
当センターでは、精神科薬物療法のみならず薬物療法全般に関する問題点と適正使用の研究を行い、臨床に反映することにより、住吉病院利用者を含む、精神科疾患を持つ患者さん及びご家族が抱えている薬物療法に対する不安や疑問について共に考え、支援を行います。また、向精神薬の有効性・安全性(副作用、相互作用など)に関する臨床研究、弊法人職員に対する教育・研究(学会発表、論文作成など)を中心とした職員の資質と精神科医療福祉に対するモチベーションの向上を支援します。
精神科における薬物治療を安全に適切に実施することができる様、多くの関係者の皆様のご理解とご支援を賜ることができれば幸甚です。
センター長 吉尾 隆