訪問看護ステーションきらりのご案内
きらりについて
私たちは平成25年7月1日、「訪問看護ステーションきらり」として始動いたしました。
当ステーションは、精神科領域に注力した指定訪問看護ステーションとして、24時間緊急時対応可能な体制(※要契約)での運営を行なっています。
ご利用者の症状悪化を予防しつつ、なるべく入院だけに頼らず、地域で治療を継続しながら、その人らしく安心して生活を送って頂くための支援を行います。
当法人のご利用者だけでなく、他の病院やクリニックに通院されている方も、精神的支援を必要とされている場合は、当施設の利用が可能です。
「服薬」の支援
外来の診察では時間が限られるため、主治医に自分の状態を伝えられないケースがあります。このため服薬の調整が上手くいかずに、薬への不安や副作用等で悩んでいる方も多いと思います。このような悩みより、服薬をしなくなってしまうことがありますが、これでは再発率が高くなってしまいます。
訪問看護を活用することで、主治医に相談しにくい薬への不安や副作用の症状も、訪問看護スタッフを通じて主治医に伝えることができます。その結果、薬の減量や、処方の変更等により、不快な副作用や症状が改善され、より安定した生活を取り戻す事が可能になるかもしれません。更には、ご利用者が治療方針の決定に積極的に参加し、その決定に従って治療を受けること、つまり、アドヒアランス(※) の向上をお手伝いすることで、治療の安定をはかります。
私たちは日々の服薬の管理もお手伝いします。自分の意志で薬を飲まないのでは無く、飲んだ事を忘れたり、多く飲んでしまったり、このような上手に服薬ができない方には、その方に合った服薬方法を一緒に考えます。
※ アドヒアランス:治療方針の決定について、患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けること。患者が自身の病気を理解し、治療に対しても主体的に関わることで、より高い治療効果が期待できる。
「生活」の支援
私たちは、生活の中に心配事や不安があると、食事が食べられなくなったり、不眠になったり、悲観的になったり、仕事へ行くのが嫌になったりします。そのような時に話をする事で気持ちが楽になり、また解決方法が見つかることもあり、普通の生活を取り戻す事ができるかもしれません。このように、私たちはご利用者の表情や生活の様子から、心の状態把握につとめ、生活リズムの安定のためのお手伝いをします。掃除ができない、料理ができない、買い物の仕方が分からないといった方も、退院後に訪問看護を受けることで、生活を営むことが可能になった方、また、地域での生活が維持できたりした方などが多くおられます。
社会活動(活動場所や就労等)の支援
ご利用者の中には、日中の居場所や、楽しめる場所が分からない、外食の仕方が分からない等、経験不足のためにできない、やれない社会活動があります。しかし、本当は行きたい所、やってみたい事など希望があるはずです。私たちはお宅へ訪問して生活の様子を見る(診る)だけの支援ではなく、ご利用者と一緒に社会資源を活用する事に積極的に取り組んでいます。
例えば、支援者が、地域のデイケア、作業所、就労支援事業所、外食、行きたい店等に、訪ねてみるようにいくら勧めても、交通機関の使い方に自信がなければ行く事もできません。バス、電車にスタッフと一緒に乗ってみる、自転車の乗り方を練習するなどの支援は、ご利用者のQOL(※)の向上と、いずれは、夢の実現へ繋がると私たちは確信しています。
※ QOL(Quality Of Life):『生活の質』と訳される。物理的な豊かさやサービスの量、個々の身辺自立だけでなく、精神面を含めた生活全体の豊かさと自己実現を含めた考え方。
引きこもりに関する支援
引きこもってしまった方のお話を聞くと「人に会うのが怖い」「誰かに狙われている気がする」「人づきあいが面倒くさい」「社会生活に戻る事自体が面倒くさい」「長く引きこもっていたので外へ行く必要性を感じない」等、それぞれご本人なりの理由があります。
このようなケースでも、ご家族が生活を支えてくれている間は生活が成り立つかもしれません。しかし一方では、家族や支援者は、「一人になる将来の生活はどうするのか?」と案じ、「一度の人生自分らしく生きてほしい!」と願っています。
だからといって、私たちはすぐに結果を求めて社会生活に戻ることや、外に出てもらうことを強制はしません。何度も訪問することで、人間関係をはぐくみ、少しずつ外出への不安を取り除きます。例えば、一緒に食事やお茶へ出掛けることもあります。
引きこもり期間は1~20年とさまざまですが、外へ出ることへの抵抗が弱まり、興味、やりたい事がみつかり、作業所やデイケア、就職へ向けた活動が出来る様になった方が何人もいます。
訪問看護の内容とスタッフについて
きらりでは、保健師(1名)、看護師(9名)、作業療法士(1名)で、以下の支援を行なっています。
- 看護に関すること(症状観察、服薬管理、疾病教育、食事指導、主治医への報告、受診援助等)
- 生活支援及び社会復帰に向けた支援(就労支援、外出同行等)
- リハビリテーション(SST、OTスタッフによる作業療法等)
- 家族の支援に関すること(家族心理療法、不安傾聴、アドバイス等)
- 主治医から指示された医療処置(バイタル測定、疾病部位の観察及び消毒等)
活動方針
- ご利用者がなるべく入院せず、在宅療養できる様に支援します。
- ご利用者のニーズ(夢、希望、生活設計)に沿った支援を大事にします。
- 医療と福祉をつなぐ訪問看護を目指します。
- ご利用者と地域をつなぐネットワーク作りの為に、関係機関との積極的な連携を心がけます。
- スキルアップ向上のため、研修会などへも出来る限り参加し、ご利用者のニーズに応えられる様努力します。
- 山梨県の精神科医療発展のための発信元となれる様に努めます。
お申込み方法
- 住吉病院での外来受診の有無にかかわらず、精神科医の指示書が必要となります。ご利用のご希望がある方は主治医の精神科医へご相談ください。
- 当訪問看護ステーションは、24時間対応のステーションです。緊急時には夜間でも連絡が取れる体制を整えております。
24時間対応のご利用は別途ご契約が必要となります。
詳しい事は「訪問看護ステーションきらり」までお気軽にご相談ください。