精神科病院での断煙指導は再入院リスクを減らす
- 2013.09.14
- 日記
アメリカ公衆衛生学会のHPでこんな抄録を見ました。→http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2013.301403
Judith J. Prochaska, Stephen E. Hall, Kevin Delucchi, and Sharon M. Hall. (2013). Efficacy of Initiating Tobacco Dependence Treatment in Inpatient Psychiatry: A Randomized Controlled Trial. American Journal of Public Health. e-View Ahead of Print.doi: 10.2105/AJPH.2013.301403
精神科の急性期閉鎖病棟で提供される通常ケアに付加する動機づけに配慮した断煙補助療法についてのランダム化介入研究です。参加者の入院前の喫煙本数は1日当たり平均19本でした。病棟は禁煙の環境でした。入院の前に1日当たり少なくとも5本のタバコを吸った224例の患者を研究にリクルートしました。最も頻度が高い精神科診断は、うつ病と統合失調症でした。
研究者は、参加者のうちの111人を精神科ユニットによる通常治療に、113人には禁煙治療を受けるように無作為割付けしました。
結果:3ヵ月後に、通常ケア群の3.2パーセントは、7日間タバコを吸いませんでした。それに対して、喫煙停止プログラムを経験した人々の間では、その比率は13.9パーセントでした。6ヵ月では14.4対6.5、12ヵ月で19.4対10.9、そして18ヵ月では通常ケア群で7.7%、プログラムに割り当てられた群は20パーセントで、オッズ比は3.15、P=0.018と有意差がありました。
精神医学的な重症度は治療有効性を減じませんでした。そして、再入院率では通常ケア群には、介入群より有意に高い可能性がありました。そして、おそらくより広範な治療的な有益性を提供することによって、禁煙治療は再入院リスクを低下させるように見えた、というものでした。
臨床において喫煙を減じたり中止することによって、処方を変更しなくても症状が軽快するように感じていましたが、この論文に勇気づけられました。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
-
前の記事
湯治紀行@健康ランド須玉 2013.09.10
-
次の記事
湯治紀行@金山沢温泉 2013.09.18