なでしこジャパン、ロンドンでの戦い3

ロンドンオリンピックに出場しているサッカー女子日本代表、すでに決勝トーナメント進出を決めて迎えた予選第3戦の相手は南アフリカでした。

GKを含めて日本はスタメンで7名の選手を変更してきました。大黒柱の澤選手は完全休養です。スタメンを見て感じたのは「引き分けでよい」という佐々木監督の思惑でした。試合は、お互いに決め手を欠いて、0-0でスコアレスドローになり、日本はグループFで1勝2分の勝ち点5となり、スウェーデンに次ぐ2位で準々決勝に進出しました。日本は、3日にミレニアム・スタジアムで行われる準々決勝でグループEの2位に入ったブラジルと対戦します。

この引き分けは戦略的なものでした。2位突破なら準々決勝の会場は南アフリカ戦と同じ会場となり移動の負担がなくなります。そして対戦相手も強国アメリカ、大会前に完敗したフランスとあたることを避け、高く掲げた「金メダル」という目標に向けてできる限りのことを行ったということです。

主力選手の疲れなども考慮しての決断でしたが、モチベーションの維持やリーグ戦の流れをトーナメントにいかすことができないことも考えられ、この戦略には異論もあるかもしれません。たしかに男子のワールドカップのリーグ戦では、最終戦に勝ち点を考慮して時間を無為に過ごすような戦い方をする国も少なからずありますが、女子日本代表はそのレベルのチームなのか、という意見もあるようです。また、アフリカの予選を勝ち抜いてオリンピックに歩を進めた女子南アフリカ代表チームに敬意を払っての記者会見だったかという疑問を呈する人もいるようです。佐々木監督は「戦略としてやらせた自分に責任がある」と話していました。もちろん、すべて監督が責任を取るべき決断であったことは間違いがありません。

「絶対勝つ」という試合でない試合でプレーした選手たちの気持ちは、なにがなんでも次のブラジル戦に勝ってベスト4のステージに上がること以外にははらせないと思います。

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