持効性抗精神病薬(デポ剤)

これまで、当ブログでは、海外の抗精神病薬の利用状況についてアメリカのCATIE研究、ヨーロッパのSOHO調査について触れてきました。 http://www.bmj.com/cgi/content/full/bmj%3b333/7561/224 Tiihonen J,Walhbeck K,et al.:Effectiveness of antipsychotic treatments in a na […]

心理教育ってなんだ?その2

心理教育についてのお話しの続きです。 心理教育の特徴は次のようなものだと思います。 1.精神疾患を脳の生物学的な障害と規定し、精神症状をストレスと身体の反応性(脆弱性といいます)の相関で生じてくるとするモデルを採用しています。つまり、医学優先といえるでしょう。 2.感情表出(EE)の研究成果を理論的背景とし、再発予防を標榜する。すなわち、実証主義的です。←EEについては、後日お話しする予定です 3 […]

睡眠薬による異常行動

睡眠薬の処方量が多いとされているわが国ですが、アメリカでは、アメリカ食品医薬局(FDA)が、あちらで処方されている13種類の睡眠導入剤に、重篤なアレルギー反応と、記憶が残らないまま運転するなど、睡眠中の行動異常を起こす副作用の危険があるとして、3月14日に添付文書の改訂と、その内容を文書で医療機関に周知するように製薬会社に指示しました。 わが国でも、睡眠導入薬による「奇異反応」としての夢中歩行や脱 […]

心理教育における迷信

統合失調症の患者さんに病気の教育なんかしたら具合が悪くなる?それは迷信です。 Barrowclough C,Haddock G,Lobban F,et al:Group cognitive-behavioural therapy for schizophrenia-Randomised controled trial.:Br J Psychiatry 189:527-532,2006 イギリスでは […]

アルコール「行軍」

当法人のアルコールセンターの回復プログラムには、月に1回「行軍」という伝統の行事があります。 昨日は、まだ残暑が残る中、患者様・スタッフあわせて12名が、朝9時前にセンターを出発して三ツ峠に向かいました。アルコール依存症治療における「行軍」とは、作家のなだいなだ先生が、医師として勤務していた国立久里浜病院で発案された方法です。行軍は期日が定まっており、天気とは無関係に実施され、散歩でなく、集団で、 […]

多剤大量療法と服薬管理指導業務

わが国における統合失調症の薬物療法の問題点として、「多剤大量療法」があげられてから、長い月日がたちました。 わが国では、世界的に見ても抗精神病薬の使用種類が明らかに多く、中でも、抗精神病薬を4種類も重ねて使用しているのは日本くらいだと国別調査の結果では指摘されています。 多剤・大量療法によって治療効果が上がるというエビデンスは乏しく、問題点は次のように考えられています。(宮本聖也ら:抗精神病薬の選 […]

CATIE試験

Lieberman JA, Stroup TS, McEvoy JP, Swartz MS, Rosenheck RA, Perkins DO, Keefe RS, Davis SM, Davis CE, Lebowitz BD, Severe J, Hsiao JK (Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness [CAT […]

エビデンスに基づく実践

私たちが精神医療・保健・福祉サービスをご提供していく際に重要なのは「エビデンスに基づく実践を行なう」ことだと思っています。 エビデンスとは、その実践を行うことで有効性があることが検証されている ことと考えています。もちろん、エビデンスには広く行われている実践もあれば、その方への支援において「過去に有効だったことがわかっている」ろいうレベルのものもあるでしょう。 薬物治療においては、この考えはかなり […]

1 159 160