統合失調症における認知機能

精神障害のうちでも、もっとも重要な疾患(もしくは症候群)の1つである統合失調症ですが、その症候学をスタッフのはみなさんは知っていますか? 統合失調症の症候分類は、私たちが学生だった頃は幻覚や妄想といったわかりやすい症状群である「陽性症状」と引きこもりや感情表出が鈍くなるようにみえる「陰性症状」の2つに分けられていました。 20世紀の中盤以降は薬物療法、主に抗精神病薬による陽性症状のコントロール可能 […]

アルコール依存症のスクリーニングテスト

住吉病院ではアルコール依存症を治療するためのアルコールセンターが活動しています。http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/iryo4.html 日本にはいわゆる大量飲酒者/問題飲酒者といわれる人が240万人くらいいるといわれています。もともと、日本人をはじめとするモンゴロイドはアセトアルデヒド脱水素酵素の活性が低いため(なかには酵素を持っていない人もいます)が多く、アルコール分解 […]

リカバリーその1

  昨日も院内勉強会をさせていただきました。今回からは院長が大切にしている「リカバリー」の概念についてお話しするシリーズです。昨日も30人のスタッフの皆さまに集まっていただきました。 医療保健福祉をめぐる近年の動向は  1.障害種別に分けない政策  2.ICFによる障害の構造を共有して、医療と福祉を再統合する  3.支援については生物学的知見と心理社会学的知見を統合してあたる  4.施設ではなく生 […]

未来は予測するものではない

「未来は予測するものではない、選び取るものである」という言葉に出会いました。 これは、有名なヨアン・ノルゴー(デンマーク工科大学教授/デンマークの原発拒否というエネルギー哲学を形成した学者)の言葉です。この言葉を目にしたとき、私はこの言葉に大きくうなずきました。 かつては先進的なことをやってきたはずの組織も、今は動きも鈍くなり、先進の歩みを止める時が来ます。老朽化した組織は柔軟性を失い、変化しつづ […]

心理教育ってなんだ?4

  8月2日・3日と開催された日本心理教育・家族教室ネットワーク主催「第1回家族心理教育講師養成研修会」に参加してきましたが、このたび修了証書が送付されてきました。メンタルヘルスの分野ではさまざまな研修会があり、修了するとこのような証書がもらえます。 私自身も、さまざまな講習会を受けてきましたが、講習会とは証書をもらうことが目的ではなく「標準的な治療方法を学び、それを実践の場に伝えること」が目的だ […]

抗うつ薬によるactivation syndrome

気分障害をお持ちの方のうつ状態への薬物治療としては抗うつ薬が用いられるのが一般的です。 かつて、うつ状態の方が抗うつ薬を飲んだときに起こる興奮・中枢神経刺激症状は、ふつう”躁転”=双極性障害の躁状態の発現として理解されてきました。これは三環系抗うつ薬の方が、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)より起きやすいといわれてきました。 SSRIは、有効で安全性に優れた「使いやすい」抗うつ薬という認 […]

底つき

アルコール依存症やさまざまなアディクションからのリカバリーには「底つき体験 Hitting bottom」が必要だと言われています。 ”底つき”とは何なのでしょうか。それぞれの人にはそれぞれの体験があって、個々の人々にはその人だけの”底つき”があると思います。何かが正しくて、何が間違っているということはありません。 だから「あなたは”どん底”なんですよ」と口をすっぱくして誰かが言い続けても、当人が […]

精神科チームアプローチ2

昨日の勉強会では、前回「早くてよくわからなかった」というご意見をいただいた「精神科チームアプローチ」について、もう一度お話しさせていただきました。 気分も新たに、スライドも見やすく作り直しました。   精神科における支援では、医師や看護師だけが医療の場面で支援を行うのでは不十分なことは明らかです。実際に病いの症状を取り去ることだけを焦点にあてるのではなく、PSW、OTR、薬剤師、心理職、管理栄養士 […]

HALT

当院はアルコ-ル依存症治療の専門病棟を持っていますが、アルコール依存症からの回復には、断酒を継続しなくてはなりません。しかし、いろいろな「ストレス」によってスリップ(再飲酒)してしまうことも少なくありません。 AA(アルコーリクス・アノニマス)中では、”HALTに気をつけろ”という忠告があるそうです。これは、しらふで生きようとした際に、飲酒衝動につながりやすいパターンを表現したもので、しらふでいる […]

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