就労支援つきACTとクラブハウス

IPSによる就労支援のエビデンスはクラブハウスによるそれを上回っているのか?という疑問に対するクラブハウスよりの研究です。

Macias C, Rodican CF,Hargreaves WA,et al.:Supported Employment Outcomes of a Randomized Controlled Trial of ACT and Clubhouse Models.Psychiatr Serv 57:1406-1415, October 2006
http://ps.psychiatryonline.org/cgi/content/abstract/ps;57/10/1406

目的:無作為対照試験によって、ACTに統合された就労プログラムと、援助つき雇用サービスの追加が得られているもとでの公的クラブハウスと比較された。

方法:121人の重症の精神疾患を持ち、労働に興味のある成人が雇用率、総労働時間、収入について、典型的な援助つき雇用プログラムの既に公表されたベンチマークの数値と比較された。その後、2つのプログラムは、背景因子、プログラム選択そして職業サービス受け取りに関してコントロールされた回帰分析によってサービス導入と継続、そして雇用の結果について比較された。

結果:63人のACT+IPSおよび58人のクラブハウス参加者の結果は、ほぼ専門の支援された雇用チームによる公表された結果と同等、もしくは上回った。クラブハウスとの比較において、ACT+IPSは有意に(P<.05)サービス導入、24ヵ月後の継続率で上回っていた。しかし、雇用率は有意差はなかった。ACT+IPSの利用者に比べると、クラブハウス参加者の就労期間、総労働時間は有意に長く、より多く稼いでいた。クラブハウス参加者がより良い成果を出しているのは、一部では彼らがより高いペイを受けていることによっていると考えられる。

結論:ACT+IPSもしくは公的クラブハウスは就労の成果に関して典型的
な援助つき雇用チームに近い結果に到達することができる。公的なクラブハウスは、他のリハビリテーションのサービスと共に援助つき雇用を有効に提供することができ、また、ACTプログラムは、臨床的ケアと援助付き雇用の継続的な統合を確保することができる。

ここでいうクラブハウスとは、ファウンテンハウスをその発祥とする、スタッフとメンバーが協同して相互扶助、自己決定ならびに自発的かつ有給の仕事による治療的利益を強調して運営されているものである。ACTでも、クラブハウスでも、就労支援の専門家は一般就労について他のスタッフと協同しており、必要な時にはいつでもOn-the-Jobサポートが提供されている。クラブハウスメンバーはさらに、移行的就労の仕事につくことができる。これはクラブハウスメンバーのために地域の雇用主組合が用意した最低賃金以上の支払いのある仕事である。

誰かが仕事に行ったかどうかは、プログラム割り当てそれ自身によってではなく、その本人が好んだプログラムや、継続して行われた仕事探しサービスの量によって左右された。研究の横断的な比較では、ACTにおいてもクラブハウスにおいてもサービスに統合された就労支援がエビデンスに基づいた援助つき雇用のける専門のチームのものとおおむね比較可能な雇用結果を達成することができることの証明を示唆した。

重要なのは、ご本人の意向と個別の就労支援だということが確認されたのだと思います。

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(wrote:財団法人 住吉病院