集団に対する認知行動療法

Barrowclough C et al:Group cognitive-behavioural therapy for schizophrenia.:Br J Psychiatry ,2006

>前回は統合失調症へのCBTが有効であるというメタ解析論文の紹介でしたが、今回はRCTです。統合失調症症状の軽減には役に立たなかったという結果ですが、毎度のことながらCBTについては治療的変数が多いので、この結果の解釈は難しいかもしれません。

これまでにPillingら(2002)、Tarrier&Wykes(2004)、Zimmermanら(2005)らのメタ解析によるレビューが発表され、CBTが1対1を基盤にした場合においては治療抵抗性の陽性症状が持続している統合失調症の治療に有効であることが確立している。また、UKにおいては統合失調症治療ガイドラインによりCBTを併用することが推奨されている。グループフォーマットCBTはパイロットスタディでさまざまな疾患に対して有効であるという結果が得られており、最近のWykesら(2005)のRCTでは、治療者が経験をつんでいる場合には、「ヒアリングボイシズ」プログラムは幻聴を軽減するというものがあるが、統合失調症にCBTをいきわたらそうとすれば、当然グループフォーマットを利用する方向に傾かざるを得ないので、今回持続性の陽性症状を呈している患者へのグループCBTの有効性について検討する目的で研究をした。

113例の持続性の陽性症状がある統合失調症患者を対象としてこれをグループCBTと通常治療(薬物療法と一般的コンサルテーション)に振り分けた。一次性のアウトカムはPANSSで評価した。二次性のアウトカム評価は症状、機能、再発、絶望感、自尊心を含んでいた。

結果として、CBTと通常治療の間では症状、機能、再発について有意な差が見られなかった。しかしグループCBTは絶望感と低い自尊心の評価に関して軽減が見られた。このことから結論するに、グループCBTは幻覚や妄想を軽減するための最適な治療法ではないかもしれないが、自分自身への否定的な感情と将来への希望のなさなどに対しては重要な利点があると思われる。

ちなみに、このRTCでのセッションは6ヶ月で18セッションでした。

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(wrote:財団法人 住吉病院