世界統合失調症デー

昨日、5月24日は「世界統合失調症デー」でした。統合失調症は稀な病気ではありませんが、偏見が根強く残っているために、病の苦しみを話せないままひっそりと生きることを選ばざるを得ないご本人、ご家族の方は少なくないと感じています。ご本人やご家族のみならず関係者、市民のみなさま、みんなで、偏見による生きづらさを乗り越えるとはどういうことか、病気を隠さずに生きることができるような社会になるために、偏見に対して私たちはどうあればいいのかなど、一緒に考えることが必要なのではないかと思います。

この病を得た方ご本人が実体験を描いた実話コミック『統合失調症になった話(※理解ある彼君はいません) 推しと福祉に救われて社会復帰するまでの劇的1400日』が発刊されていることを知りました。監修は岩波明先生だそうです。 https://amazon.co.jp/dp/4041130921

amazon prime では「僕と頭の中の落書きたち」という映画を見ることができます。レンタル視聴は330円~になっています。あらすじは、高校生のアダムが実験の授業の最中、目の前に幻覚が現れたことで事故を起こしてしまうことから始まります。統合失調症と診断されたアダムは、母と一緒に治療を模索するがどれも上手くいきませんでした。自らの病を秘密にしたまま学校生活を送る中、「普通の人生を送ること」を諦めかけていたアダムでしたが、ある日、同じ学校に通うマヤと出会って二人は次第に惹かれあい、家族や周囲からのサポートもあって、アダムは精神的な困難とともに、あるいは葛藤しながらも人生に光を見いだすようになるというストーリーのようです。
こちらから予告編がご覧になれます。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0RV9PQUT1N5GYFOHZP0H49ATW2/ref=atv_dp_cnc_1_2

シルバーリボン・ジャパン様からのメッセージもありました。
https://www.silverribbon.jp/news/P000674/

京都で活動しておられる「統合失調症カフェ☆つるままや」様は2019年から世界統合失調症デーを日本で広げる活動を開始されています。
https://schizophreniacafe.jimdofree.com/

上記ホームページからのお知らせの転載です。

・5月24日は世界統合失調症デーです。参加方法は、SNSに #世界統合失調症デー で投稿を。とくにTwitterは例年盛況です。
・5月24日の前後1週間くらいが統合失調症週間です。誰でも自由に関連イベントや関連制作などできます。 #世界統合失調症デー をつけて広報してくださいね。 
統合失調症をもつ人の著作の感想文集を無料マガジンで随時更新中です

一人でも多くの方が声を上げていただけますようにお願い申し上げます。

世界中から #世界統合失調症デー に投稿された記事を紹介しています。統合失調症カフェ☆つるままや
https://schizophreniacafe.jimdofree.com/ より

統合失調症がどのような精神的困難の状態を表す診断名であるのかについて、
厚生労働省のホームページにも説明が載っています。https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_03.html

こちらは日本精神神経学会による説明ですhttps://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=4

今まで出来ていたことができなくなるのではなく、意識されてしまうのです。なので、ものを扱うこと、ほとんどすべての運動、特に人間関係のちょっとしたことも、全て強く意識しないと出来なくなる。そういった、生活の全体的な変化が、患者さんに取ってとても困ることになる病気だと思います。
いいかえるなら、こころも体もぎこちなくなる病気です。

いろいろな感覚と刺激も強くなるので、人のちょっとした動きや物音も強く響いてしまいます。そのため、電気を消したり、弱めたり、日光を遮ったりして、結果的に引きこもる人もいます。人とちょっと目が合ったとか、そう言うのが強く響くようになり、「にらんでいる」とか「自分に好意を持っている」とか、特別な意味があるように感じられて、被害妄想とか、命令する幻聴とか、自分の考えが外に漏れてしまうと考えて、恐ろしくなってしまう、という症状が起こる人も居ます。

今まで何でもなかったことに、たくさんの特別な意味が出てくると、「世界から圧倒される感じ」になり、自分という存在が、ひっくりかえってしまいます。この「ひっくりかえり」が統合失調症のはじまりだと思います。感覚が過敏になることは神経症でも、うつ病でも起こります。でも自分(主体)と他者(客体)がひっくり返ることはありません。最初は自分の感覚が鋭くなったから…と思っていたのが、自分の中の変化ではなくて、外部の誰か、あるいは何かが作り出しているという、逆転現象が起こるのが、統合失調症の特徴と考えます。その結果、さまざまな症状が起こり、生活全体に影響が出る病気と考えます。

弊法人のスタッフの中にもこの診断を持つ仲間の方々がいます。一緒に働いていることで助けられたことや学んだことが私にはたくさんあります。

・薬を飲んで大人しくしていることだけが治療ではありません。
・共感的でおだやかな人間関係は、とても助けになります。同じく精神的な
 困難を経験をした仲間との交流が意義あるものになるかもしれません。
・生活をするうえで希望ややりがいのある暮らしをすることは大事です。自分
 の目指すもの・楽しみを大切にする権利があります。
・何かを無理やりあきらめる必要はありません。あせらず無理せず少しずつ
 リカバリーの道を歩んでいくことができるはずです。
・病気は人格の/暮らしの一部分にすぎないのです。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。