気分障害2

年初めの院長講義、第1回は「気分障害2」でした。

今回のテーマは「双極性障害」でした。最近のKraepelin の精神病理学の再評価にもあらわれているように、以前のような”単極性うつ病vs双極性障害”といった疾患概念の二分法から、より広範な範囲が気分障害の守備範囲であるという論点からの講義を行いました。

Kraepelin の「躁うつ病」概念を再整理して治療学に貢献した研究者としてはAkiskalがsoft-bipolar spectrum 概念を提唱しています。

双極性障害はうつ病から発症することが多いのですが、適切な治療が行われないと病相の感覚がせまくなり、rapid cycling になってしまいます。治療として重要なのは「うつ病相のたびに抗うつ薬を使用しないこと」で、また、気分高揚の病歴をきちんと把握しないで、ただ抗うつ薬による治療を継続して「不安定or遷延性うつ病」となっている状態を引き起こしがちです。

双極性障害の治療のゴールは”1回の躁やうつの波を抑えることよりも、長期にわたる安定化”であり、バルプロ酸ナトリウムや炭酸リチウム、カルバマゼピンなどの「ムードスタビライザー(気分調整薬)」を中心に使用することが重要です。

今回も、多くのスタッフに講義を聴いてもらいました。皆さま、本年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

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(wrote:財団法人 住吉病院