2023年の始まりにあたり

皆さま

ご無沙汰いたしておりました。昨年11月からの住吉病院病棟での大規模な新型コロナウィルスのクラスターでは、多くの方にご迷惑とご心配をおかけし、また、ご支援や激励を頂戴いたしました。おかげさまで昨年末に各病棟の体制をクラスター発生前のレベルに服することができました。皆さまのご厚情に心よりお礼申し上げます。法人からの発表は以下をご参照ください。

https://www.sumiyoshi-kaisei.jp/news/webdir/90.html

昨年末には、それとは別の悲しい出来事がありました。

平成16年5月から住吉病院の院長、のちに理事長・院長として平成18年3月まで私どもを率いてこられた佐々木重雄先生が亡くなられたのです。享年92でいらっしゃったとうかがいました。

佐々木重雄先生は、私が精神科医となりたての日々、山梨県立北病院で勤務させていただいたときの院長でいらっしゃり、公私ともに大変お世話にになりました。県の精神保健センター長を兼任されていらっしゃったときには山梨県では住吉病院のアルコール症治療をご評価され、県立北病院にもアルコール治療専門病棟を開かれました。先生からは患者様にきちんと向き合うこと、精神科医療に情熱を燃やすことを習いました。佐々木先生は県職ご定年後も県内数カ所の病院を率いられ、後進を指導され、当県の精神科医療の整備にご尽力されました。

私が住吉病院の院長として赴任して以降は、甲府でお仕事がおありの折には病院にお立ち寄りいただき、若かった院長に激励をいただいていたのを懐かしく覚えております。

佐々木先生が弊法人の50周年記念誌に寄稿された一文を今一度読み返しながら、往時を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。そして、先生のご逝去の報に接して、ご著書「涙について」文芸社、2003年、にお書きになった

”「死について」考えるということは、取りも直さず一日一日をしっかり生きて行くための「生について」考えることでもある。”

を思い起こし、かみしめました。

先人の残された遺跡(ゆいせき)とご遺志を受け継ぎながら、弊法人は新たな理事長の元で今年も歩みを進めてまいります。皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。