父を、家族を殺すアルコール

知り合いに勧められて、アルコール依存症をお持ちの方のご家族の手記を読ませていただきました。

あべ夕子著「父を、家族を殺すアルコール-依存症患者、娘の手記-」文芸社

この本は、看護職の資格を持つ方が、アルコール依存症をお持ちの父親との生活の中でまのあたりにし、体験してきた、酒害の恐ろしさ、そしてアルコール依存症が家族を破壊する「家族の病」であることを娘の立場から書きつづったものです。アルコール依存症が病気であることを家族が知り、さらには本人が認めるようになるまでの長い長い道のり、そしてアルコール依存症の家族のもとで育った子どもの心に残す大きな傷跡。

それらが、淡々と書き連ねられていることが、余計にこの問題の底の深さ暗闇の恐ろしさを伝えてくれる一冊です。アルコールや薬物の問題で今なお悩んでいる方やそのご家族にこそ読んでいただきたい手記です。私はこの本を読んで、家族の病理の中でもがきながらも生き延び、成長をしてこられたリカバリーの旅の中で、ご自身も体調を崩され、それでもこの本を執筆された筆者の回復と幸せをを願わずにはいられませんでした。

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最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。