マイクの旅が始まった夜

2014FIFAワールドカップブラジル大会のアジア予選を戦っているサッカー日本代表は、長居スタジアムにタジキスタン代表を迎えてのホーム戦を迎えました。

先日のベトナム戦でザッケローニ監督の戦術の代名詞でもあった3-4-3が機能しなかったことを踏まえてのこの試合、システムはおなじみの4-2-3-1に戻りました。2列目の真ん中、本田選手離脱の場所には中村憲剛選手を配置しました。Jリーグでの質の高いプレーが評価されて代表に復帰した中村選手ですが、ザッケローニは彼のバランス感覚がチームに必要なのだと思ったのでしょう。

そしてワントップには我らがヴァンフォーレ甲府のハーフナー・マイク選手。体格で圧倒的な存在感をみせ、前半11分に先制点となる、代表初得点をあげて岡崎・香川選手らのゴールラッシュを呼び込み、後半にも2点目を決めるなど、代表の勝利に大きく貢献しました。今後、ライバルであるセリエAで活躍中の森本選手やこの試合交代枠で登場した李選手、復調してきた前田選手などとしのぎを削り、なによりマークの厳しい相手をむこうにしてどれくらいのパフォーマンスができるかが焦点ですが、マイクは、父の代から持ち続けた、日本を代表する選手になる、という夢の旅に間違いなく足を踏み入れた試合でした。

もともと、ザッケローニがイタリア・セリエAで監督をしていた時代には、ウディネーゼからACミラン時代でのオリバー・ビアホフ(元ドイツ代表)のような屈強なワントップを中心とした3-4-3のシステムのサッカーをする印象でした。もちろんバランスを重視する戦術で、サイドの運動量をもとめつつ、それほど攻撃一辺倒ということではなかったような気がします。マイクはワントップとして起点になる典型的なシステムに重要なピースである可能性が明らかになりました。チームになじんできた試合中盤からはポストプレーもこなし、ザッケローニの戦術を理解していることを示してもくれました。

自分の応援しているクラブから代表選手が出る!ということのわくわく感を感じることのできる試合でした。マイクはビアホフになれるのでしょうか。

日本代表は同じ日にアウェーで北朝鮮を1―0で破ったウズベキスタンとともに、3次予選の通算成績を2勝1引き分けの勝ち点7で並び、得失点差で首位に立ちました。

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