雇用スペシャリストに必要なもの
- 2011.04.13
- 日記
Becker, D. R., and Drake, R.E.A Working Life for People With Severe Mental Illness. New York: Oxford University Press2003 ( 大島 巌(翻訳), 松為 信雄(翻訳), 伊藤 順一郎(翻訳), 堀 宏隆精神障害をもつ人たちのワーキングライフ―IPS:チームアプローチに基づく援助付き雇用ガイド 金剛出版 2004)
アメリカでは、雇用スペシャリスト(Employment Specialist:ES)の採用にあたってはリハビリテーションカウンセリングの課程を経ている者が良いとされており、望まれる資格・資質には以下のような事が挙げられている。
?@職業開拓、マーケティング(求職)活動、職業の確保に総合的な知識と成功体験
を持っていること。
?A地域の事業主との良好な関係を築ける能力を示せること。
?B広範囲にわたる職業に関する知識と実務経験を持つ。
?Cクライアントの興味、長所(strengths)、技能、能力、人の行動を学習する
方法、本人固有のチャレンジ課題を認識し、それらを仕事と合致させる能力を
有すること。
?Dクライアントが仕事を維持できるよう支援するための長期にわたるサポート体制
と就労環境を認識し、手配する能力を有していること。
?E診断、治療、処方および職務遂行に与える影響などの、重い精神疾患に関する
知識を有していること。
?F障害者給付など社会保障に関する知識を有していること。
?G他のチームメンバー、事業主、家族に対しクライアントを効果的に支持・代弁
する能力を有していること。」
私どもの法人でも、”グッジョブ・サポーター”の中で、働くことへの支援を行っているスタッフがいますが、さまざまな資格を持ち、さまざまな立場から活動をしています。国家的な資格を持っていないスタッフもいたりしますが、チームとしてそれぞれのストレングスを生かしあってミーティングや日常的活動においてサポートしあっています。働くことに必要なことは、「希望」を胸に抱くこと、粘り強い活動を続けるための「情熱」、互いに支え合う「サポーター」であるように私は考えていますが、これは支援を受ける側の方にも提供する側のスタッフにも重要なものではないかとも思います。
そして自分たちの経験を持ちより積み上げて共通項を探し、より多くの人がうまくやれる方法を磨いていく、自分たちだけがうまくいくのではない方法が創出されて、それが多くのデータによって確認されたとき、それはエビデンスがある支援、と考えられるようになるのでしょう。そういった考え方によれば、支援方法は成長していくものだとも思えます。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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