4年間で得たもの

今から4年前の6月12日、FIFAワールドカップドイツ大会のグループリーグ初戦。カイザースラウテルンの暑いスタジアムで、日本は1-0と前半にあげた虎の子の得点を守り、オーストラリアの後半の猛攻をしのいでいました。「あと少しで勝ち点3」と思い始めた後半39分から、日本は立て続けに3失点。私たちは手の中にあったはずの勝利を失いました。

それから4年。サッカー日本代表は、一貫した強化に失敗していたように見えました。その中で迎えたワールドカップ南アフリカ大会、”不屈のライオン”と呼ばれる強豪カメルーンに対して日本のとった戦術は「引いて守ってワンチャンスをものにする」「全員で結束して敵の攻撃をはね返す」という、見栄えを捨てて実を取る弱者の戦術でした。

あのオーストラリア戦の終盤で、スター選手を入れて中盤を厚くしてパスを回そうとした代表が、サッカーという競技で勝利をつかむために分析した現実と、ただひたすら勝つための戦術を模索し、選手それぞれが勝つためにすべきことを懸命に繰り返したことが、4年前にはポストに当たってゴールに吸い込まれたシュートを、今回はゴールの外にはじき出すという幸運を私たちに導きました。勝利への執念を持ち続けるものに神はほほ笑むのだ、と、日ごろ宗教を持たない私でさえも感じるような日本代表でした。

   

あの7分間を守るために4年間の学びが必要だった日本代表ですが、私たちは、この8年間でワールドカップ決勝トーナメントでの勝利についても学べているのでしょうか。もう一度、学びを検証する場を得るために、次は優勝候補のオランダ代表との一戦です。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。