アルコール依存症のスクリーニングテスト

住吉病院ではアルコール依存症を治療するためのアルコールセンターが活動しています。
http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/iryo4.html

日本にはいわゆる大量飲酒者/問題飲酒者といわれる人が240万人くらいいるといわれています。
もともと、日本人をはじめとするモンゴロイドはアセトアルデヒド脱水素酵素の活性が低いため(なかには酵素を持っていない人もいます)が多く、アルコール分解する能力が低いと考えられています。

アルコールは、飲酒して当初は良く眠れるし、気分もリラックスできるのですが、次第に同じ効果を得るために必要な酒量が増えていくようになります。このような常習飲酒の結果、お酒を飲むことが制御できなくなってしまう「依存症」の段階に達する人が40年間で約2.5倍になりました。男女比でも40~50対1→6~7対1というように、女性における増加が目立っています。一方では高齢者や未成年者の間でも広がってきているとされています。

アルコール依存症のチェックポイントは

1)飲む量が増えていく
2)隠れて飲酒する
3)急に断酒したり酒量を減らすと手指の振戦や動悸、発汗、不眠など離脱(禁断)症状が出現する
4)飲酒行動による問題行動がある

これら4項目を認めると診断は間違いないと思われます。

インターネットでは、飲酒行動からアルコール依存症のスクリーニングのできる簡単なテストが利用できます。興味のある方はなさってみてください。

CAGE
http://www.nsknet.or.jp/~hy-comp/check/index.html

KAST(久里浜式アルコール症スクリーニングテスト) 
http://www.nsknet.or.jp/~hy-comp/check/index.html

一番重要なことは、自分にアルコールの問題があることをはっきり認識してもらうことです。アルコール依存症ではなかなかこの自己認識に至ることが難しく、「否認の病い」といわれるゆえんです。この気づきがないと治療は成功せず、最飲酒の危険性が高くなります。いわゆる底つきをして自分には断酒しかないという認識をし、同じ病いを持つ仲間や先輩回復者の存在が必要であることを理解します。そのための心理教育とグループワーク作業療法などを組み合わせたARP(アルコール・リハビリテーション・プログラム)が行われます。

目指すものはリカバリーです。

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(wrote:財団法人 住吉病院