精神科におけるチームアプローチ

先日、新米院長を囲んでの第2回院内勉強会を開かせていただきました。 今回のテーマは「新しい精神科サービスについて」としました。講義に向けてメンタルヘルス分野に関するグランドデザインから地域支援への方向性、昨今の新しい抗精神病薬の分類や薬理などなどスライドを作りましたが、熱が入りすぎて、講義時間を若干オーバーしてしまいそうになりました。お時間をとっていただいた皆さま、申し訳ありませんでした。 さて、 […]

うつ病のプライマリケア

厚生労働省は、今年度から急増する自殺への対策の一環として「うつ病」の早期発見・早期治療に力を入れることになりました。ところが、精神科医の不足は深刻で、かかりつけ医にそのプライマリケアを担ってもらいたい、という意向だとききました。 うつ病の症状は、大きなものとして2つあります ○ 一日中気分がふさぎこんでいる ○ 今まで興味のあったものに興味がもてなくなる これにさまざまな症状が重なり、重症になると […]

TEACCH

自閉性障害を持つ子どものための治療や教育に関して、ノースカロライナ大学を中心として実践されているTEACCH:Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children (自閉症とその関連する領域にあるコミュニケーション障害の子どもたちの治療と教育)プログラムというものがあるそうです。 自閉症 […]

ワーキングライフ

最近、読んだ本の中で興味を持ったのは、“A Working Life for People with Severe Mental Illness”(Becker&Drale,2003著:大島 巌/松為 信雄/伊藤 順一郎翻訳「精神障害をもつ人たちのワーキングライフ」 です。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4772408517 1980年代初頭、発達 […]

心理教育ってなんだ?3

コクラン・ライブラリによれば、統合失調症をお持ちの方に心理教育を行うことは、有効とされています。 http://www.cochrane.org/reviews/en/ab002831.html Pekkala E、Merinder L:Psychoeducation for schizophrenia 標準的な統合失調症の治療に心理教育を付加することは、再発率を縮小します。疾患についての教育は、 […]

ナルコティクス・アノニマスのミーティングが甲府でも

医局にあった資料から、ナルコティクス・アノニマス(NA)甲府グループのオープン・ミーティング(ご本人以外の参加が可能なミーティング)が9月7日からスタートされたことを知りました。 ナルコティクス アノニマスとは、薬物によって大きな問題を抱えた方々のセルフヘルプグループです。NAのメンバーになるために要求されることは、使うことをやめたいという願望だけです。NAに参加する上での条件は何もありません。N […]

ストローク

対人関係をわかりやすく捕らえるのに利用されている理論のひとつ、交流分析(Transactional Analysis:TA)では、さまざまな人間関係の中で生じる心と心のふれあいを”ストローク”と呼んでいます。そしてTAにおいては、人はこのストロークを得るために日々活動していると考えられています。 ストロークには4つの種類があるといわれています。 1.陽性のストローク   「愛情」「承認」「報酬」な […]

持効性抗精神病薬(デポ剤)

これまで、当ブログでは、海外の抗精神病薬の利用状況についてアメリカのCATIE研究、ヨーロッパのSOHO調査について触れてきました。 http://www.bmj.com/cgi/content/full/bmj%3b333/7561/224 Tiihonen J,Walhbeck K,et al.:Effectiveness of antipsychotic treatments in a na […]

心理教育ってなんだ?その2

心理教育についてのお話しの続きです。 心理教育の特徴は次のようなものだと思います。 1.精神疾患を脳の生物学的な障害と規定し、精神症状をストレスと身体の反応性(脆弱性といいます)の相関で生じてくるとするモデルを採用しています。つまり、医学優先といえるでしょう。 2.感情表出(EE)の研究成果を理論的背景とし、再発予防を標榜する。すなわち、実証主義的です。←EEについては、後日お話しする予定です 3 […]

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