アニマル-アシステッド・セラピー(その8)
- 2023.05.09
- 日記
動物介在療法/動物介在介入によって、メンタルヘルスの臨床や、一般の方々の健康に良い影響が引き起こされるであろうことを数回にわたりブログでご紹介してきました。
では、どのようにして動物介在療法にたずさわる動物や人間をトレーニングして、介入の質の担保ならびに均てん化を行うのだろうという疑問がわいてきました。ネットサーフィンをしているとアメリカのデンバー大学に次のような研究所があることがわかりました。
Institute of Human-Animal Connection
https://socialwork.du.edu/humananimalconnection
「人と動物のつながり研究所」とでも訳したらいいのでしょうか。この研究所のページの最初には次のようなことが書いてあります。
人間、他の動物、および環境の幸福は深く相互に関連しており、最適な人間の健康と回復力には、思いやりのあるペットの飼育から地球規模の生物多様性にいたるまで、お互いに健康的な生活システムが必要です。人間と動物の相互作用、地域社会における動物、保護ソーシャルワークに焦点を当てた教育、研究、アドボカシー活動を通じて、人と動物のつながり研究所 (Institute of Human-Animal Connection:IHAC)は、生きている世界の価値と人間、動物、環境の健康の相互関係を高めています。 .
私たちは、社会正義と文化的責任へのコミットメント、そして体系的な変革の力への信念に基づき、動物福祉の改善を推進しています。私たちは、人と動物の絆、人と動物、環境との相互作用、ワンヘルスに関する専門知識を、コロラド州のコミュニティや世界各地で共有し、協力し合っています。これは、人と動物の健全な関係を促進することが、両者にとって良い結果をもたらすということを理解しているからです。
とあります。
IAHCには教育プログラムがあり、専門家が動物の行動や人間と動物と環境の相互作用についての理解を深め、動物と協力して臨床実践を強化できるよう支援することに重点を置いています。そして、IAHCは、4つの専門能力開発証明書とソーシャルワークマスター(MSW)の人と動物の環境相互作用認定講習を含む、すべての教育プログラムで倫理と動物福祉を中心に据えているそうです。
研究所には動物と人間の健康(AHH)専門家養成講座があり、人間と動物の相互作用、活動、学習に焦点を当て、介入を行う人は、関係する人と動物のニーズに対応するために必要な専門知識を持つことが必要だとしています。
また、犬と馬に関してはそれぞれの介在介入専門家プログラムがあり、犬と接する知識と技術の向上を目指す人間と動物の相互作用の専門家に、能力に応じたトレーニングが提供されています。
さらに、人と動物の環境に関する政策と実践の推進を同研究所は掲げています
・地域でのインターンシップ 毎年、ソーシャル ワークにおける人間と動物と環境の相互作用 (HAEI-SW) 認定プログラムの 70 人以上の学生が、自然に基づく理論とプログラミングをコロラド州のインターンシップ サイトでのフィールドワークに取り入れています。
・虐待防止の取り組み 2011 年以来、IHACはコロラド リンクプロジェクトを管理して、動物虐待と対人暴力の関係についての認識を高め、リンクによる暴力の防止と介入のためのシステム レベルの変化を促進してきました。
とあります。学際的に研究し、ソーシャルアクションを行っている研究所に私は大変興味を持ちました。
そんな折、弊法人サポートハウスとびらのスタッフの一人が理事をつとめるNPO法人ゲートウェイみらいさまの活動として、IHACの創設者であり、名誉所長でいらっしゃるPhilip Tedeschi デンバー大学臨床教授が山梨をご訪問されるとうかがいました。
IHACホームページには、人間と動物の絆と人間と動物と環境の相互作用に関する研究と教育を実践と政策に変換し、より健康で回復力のあるコミュニティを構築します。教育および 研究プログラムに加えて IHACは公開イベントや会議を主催し 、アドボカシー活動に従事しています。また、コンサルティングやトレーニングから特別プロジェクトでのコラボレーションまで、さまざまな取り組みにおいて、数十のコミュニティ組織や地方自治体と提携しています、と書かれています。
格好の学びの機会ととらえ、また、私たちの掲げる障害をお持ちの方の地域参加や人としての交流、さらには薬による鎮静からの心の解放になにかヒントが得られるのではないか、学ばせていただきたいと思います。
わくわくしています!
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