個人的視点による2018年の10大ニュース

今年も皆さま、大変お世話になりました。弊法人は今年もさまざまな活動をしてまいりましたが、今年1年を振りかえって、個人的に選んだ10大ニュースを発表させていただきます。

1.新外来/病棟竣工
  今年10月、新たな外来と急性期病棟をそなえた新棟が活動を開始しました。建物
  だけではなく、気持ちを新たに”すべてはリカバリーのために”をスローガンとして
  病床削減と地域医療、さらにはご本人主体のサービスを目指したいと思います。

2.次々とくる天災
  今年は6月に最大震度6の大阪北部地震にはじまり、7月に西日本の豪雨、9月に
  は大型台風21号による近畿圏の大きな被害の直後の北海道で震度7と、各地で
  次々と天災が起こりました。今なお被災の中におられる皆さまのお身体と心の
  1日も早いご回復をお祈りいたします。

3.中央省庁の障がい者雇用率不正申告発覚
  民間企業には障害者雇用義務が課せられており、法定雇用率が未達成の企業
  にはされていない確保されていない企業には納付金の徴収や、悪質な場合には
  社名の公表などのペナルティがあります。その一方で、率先して法を守る立場に
  ある中央省庁で障害者雇用「水増し」が指摘され、第三者検証委員会の調査で
  は3700人にわたる障害者の雇用が虚偽報告されていたことを指摘しました。
  調査の結果は、中央省庁が達成していたとする法定雇用率2.5%に対して、
  実際に雇用されていた障がいをお持ちの方の率はわずかに1.18%でした。
  しかもこのことが少なくとも20年以上続いていたということで、「開いた口が塞が
  らない」とはこのことですが、また、一方で障がいを持ちながらも働いている方々
  を単に数値として扱うことになんの違和感も持たない報道の姿勢にも違和感を
  持ちました。

4.山梨県も障がい者雇用率不正申告発覚
  中央省庁の障がい者雇用率不正操作が発覚した問題で、山梨県と県教育委員
  会も、調査した結果、障害者手帳や医師の診断書を確認できない職員計45人
  を障害者雇用数に計上していたと発表しました。ちなみに、県が国に届けていた
  障害者の数は66人(障害者雇用率2.53%)だったそうです。障害者雇用に関
  しては、その方が雇用率算定の対象とできるのかどうかは、ご本人の手帳で
  確認するというのが基礎中の基礎であり、あまりのずさんさにあきれるばかり
  でした。

5.ずさんな官公庁の障がい者雇用対策
  中央の行政機関は雇用する障害者数を不正申告していた問題で、法定雇用率の
  達成に向けて、年度内に統一の選考試験を実施することを決めました。これまで
  その必要人数はなんと約3460人で、統一選考では、高卒程度の知識を問う筆記
  試験と作文が課せられます。この方式で知的障害のある方々への雇用にどのよう
  な配慮ができるのか、わかりません。しかも、年度内に法定雇用率達成を目指すと
  した10月の計画は12月になりあっさり達成期限の延長を見当検討見通しの甘さ
  を露呈し、今後も法定雇用率に届かない状況が長引くことになるかもしれません。

6.ヴァンフォーレ甲府昇格ならず
  6年ぶりにJ2に落ちたヴァンフォーレでしたが、昨年終盤に引き続き吉田達磨監督
  が采配を振るいました。ところが開幕から成績不振が続き、4月14日にはホームで
  松本山雅に敗戦後、ゴール裏が居残り、一部のサポが監督の解任を要求。監督
  続投について多数決をとるような、クラブの運営側に対してリスペクトに疑問を呈す
  るような行動の挙句に吉田監督は降板して5月から上野展裕監督が就任。それ
  でもチームは巻き返せず、16勝11分け15敗9位の成績でシーズンが終わりました。

7.ノーベル生理学・医学賞に本庶氏
  2018年のノーベル生理学・医学賞は、免疫を抑える働きを持つ分子PD―1を
  発見した本庶佑・京都大特別教授ら2人が受賞しました。「がん免疫療法」に道を
  開いた功績が高く評価されました。本庶先生は自身のモットーとし「ものごとを簡単
  に信じない。”ネイチャー”や”サイエンス”のような学術誌の論文発表でも10年たっ
  たら残っているのは1割であり、自分の目で確認できるまでやる」と述べています。
  そして国の研究者たちに対する支援体制に懸念を表明しました。

8.タイの少年たち洞窟より生還
  7月、タイ北部シェンライのタムルアン洞窟に地元サッカークラブの少年12人と
  コーチの計13人が閉じ込められました。少年たちは6月23日に洞窟に入りました
  が、大雨による増水で出られなくなったのです。絶望的な見通しが広がる中、タイ
  当局にアメリカやイギリスの洞窟救助専門チームなどが加わり、捜索活動が行わ
  れましたが、救出は難航。洞窟内の酸素濃度が低下し、タイ人のダイバーが亡く
  なる事故も起きました。が、さまざまな人々の努力のかいあって遭難から18日目
  に全員が生還しました。
 
9.サッカーワールドカップ、16強
  FIFAワールドカップ・ロシア大会で日本は戦前の下馬評を覆し、初戦のコロンビア
  をくだすなど1勝1分1敗の成績で予選リーグを突破しました。予選の最終対ポーラ
  ンド戦では大会のレギュレーションを最大限に生かして0-1の敗戦を受け入れる
  という戦術が批判の対象となりましたが、決勝トーナメントではベルギー相手に2点
  リードからのまさかの逆転負け。ワールドカップにおいて大事なものは何なのか、
  を改めて考えさせられました。

10.オウム真理教元幹部の死刑執行
  今年の7月6日、死地下鉄サリン事件など一連の反社会的テロ活動、いわゆる
  オウム真理教事件の首謀者である教祖の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚を
  はじめとした教団元幹部13人の死刑が執行されました。裁判での不規則発言など
  を繰り返した松本元死刑囚は、最後まで真相を語りませんでした。

次点.新部署活動準備開始
  法人の今後の活動についての方向性をリカバリー期成会で設立することが決定
  されていた、法人内の新たな部署がいよいよ専従者1名、兼務4名の応募を受け
  て活動準備に入りました。住吉病院にもリカバリーセンターにも所属しない、つまり
  医療でも福祉でもない活動をする部署です。多くの人々とつながって、メンタル
  ヘルス分野での新たな価値を創造することを目標に掲げて来年は本格的な活動
  を開始する予定です。皆さま、どうぞ応援してください。

さまざまなことのあった2018年、平成最後の年越しになります。皆さまどうぞよい年をお迎えくださいますように。


最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。