障害者権利条約批准
- 2014.01.26
- 日記
障害者権利条約は、2006年12月13日に第61回国連総会で、あらゆる障がいのある人の尊厳や権利を保障することを目的として採択された人権条約です。
世界中の障がい者団体は連携しあってさまざまなロビー活動にとりくんだそうです。“Nothing about us without us:私たち抜きに私たちのことを決めないで”がそうした運動のスローガンであり、そして条約には「障害者が完全、かつ公平に社会参画ができるには、社会全体がそのニーズに取り組まなくてはならない」と書かれました。
日本政府は、権利条約に2007年9月28日、署名し、2009年3月批准にむけて動いたのですが、障がい者団体は、わが国では国内法制が不十分であり、その整備が先決であるという認識から、条約批准は時期尚早との強い要請を行い、その結果、批准は先送りとされました。その後、制度改革の議論がすすめられ課題は残しながらも、2011年に障害者基本法を改正し、その後も障害者総合支援法、障害者差別解消法などが成立して国内法整備が完了されたとして、昨年12月に国会は同条約を承認しました。
日本の吉川元偉国連大使は今年1月30日、障害者への差別を禁止する障害者権利条約の批准書を国連に提出して締結の手続きが正式に完了し、日本でも同条約が2月19日から発効することとなりました。同条約にはこれまで139カ国とEUが加わっていて、日本は141番目の批准国となったそうです。
この条約は障害のある人と社会との関係に関する新たな国際規範であり、制定過程で繰り返された『私たち抜きに私たちのことを決めないで』の精神は非常に大切な理念と思います。条約批准はゴールではなく、すべての人がともに住みやよい社会の実現に向けて、関係する人々どうしがさらに連携を強め、不十分であるかもしれませんが、弊法人としても条約の理念を具現化するしごとを行っていきたいと思います。
権利条約批准が掲載されている官報はこちら→
http://kanpou.npb.go.jp/20140122/20140122g00013/20140122g000130003f.html
障害者権利条約全文はこちらから→
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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