野中猛先生ご逝去

わが国のメンタルヘルスの領域において、早くから「リカバリー」の視点を紹介され、多くの支援職を啓蒙し育ててこられた、日本精神科リハビリテーション学会会長の野中猛(のなか・たけし)先生がご逝去されました。

野中先生は1951年にお生まれになり、弘前大学医学部ご卒業後、青森県にある藤代健生病院で研修医としてスタートされました。地域医療の実践を重ねて上京され、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターに転身。発症予防、相談・診療、そしてリハビリテーションまで、地域全体の精神保健をカバーする取り組みにかかわられ、多職種によるチームアプローチでの活動を実践されました。その当時、東京デイケア連絡会で埼玉県のセンターにお邪魔して刺激を受けたたことを今でも覚えています。

そして、2001年より日本福祉大学社会福祉学部保健福祉学科教授として、このチームマネジメントを実践する人材の育成にあたってこられました。現在、日本福祉大学研究フェロー、日本精神障害者リハビリテーション学会会長をつとめておられました。最近になり体調を崩されたとうかがっておりましたが、早すぎるご逝去、誠に残念です。

野中先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。野中先生に直接的・間接的にご指導を受けた多くの専門職が、これから先生のまかれたリカバリーの種を大きく育てていくのを、どうか高いところから見守ってください。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。