自動車運転に係る国会での慎重な審議を求める緊急署名活動のお知らせ

政府は、自動車運転に係る案件として、?@刑事法の新法(自動車運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)案、?A道路交通法改正案、を国会に提案しており、現在開会中の国会で審議が進められると思われます。

これらの法律案には、病気や障害のある人に新たな罰を科す内容が含まれており、患者会や障害支援団体等はこれらの人を社会から排除することにつながることを、危惧しています。

法律案では「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」として
・統合失調症
・てんかん
・再発性の失神
・無自覚性の低血糖症
・そううつ病
・重度の眠気を呈する睡眠障害

があらたに対象とされています。
一方で、私の属する日本精神神経学会では、精神科医師による届け出制度が障害者差別による矛盾をさらに強め、精神科医療機関への受診拒否をさらに深刻化させたり、守秘義務の排除が医師-患者関係にも重大な問題をもたらし、本人の治療上マイナスであるのみならず、結果としては交通事故のリスクを増加させることにつながる、という見解を示しています。
日本精神神経学会は、精神疾患への新規罰則適用について、精神医学、精神科医療の専門家に対するヒアリングを行い、その上で個々の状況を検討し適用の可否を判断するよう十分な議論を行って頂きたい旨、法制審議会に以下2つの要望書を提出しています。※クリックするとpdfファイルが開かれます。

【1月23日提出】自動車運転による死傷事犯の罰則整備に関する要望
https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/files/20130123.pdf
【2月5日提出】自動車運転による死傷事犯の罰則整備に関する再要望
https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/files/20130205.pdf
学会としての声明文も発表されています。
法制審議会による刑事法(自動車運転に係る死傷事犯関係)に関する「要綱案」について(学会声明)https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/files/20130404.pdf

日本てんかん協会(波の会)では、協会が窓口となって国会での慎重な審議、罰則だけにとどまらない総合的な支援策の必要性などにも理解を深めてもらうための、緊急の署名活動を始められました。

関係する患者会・障害支援団体とも連携をしたうごきです。
是非多くの皆さんのご理解・ご協力をお願いします。

署名用紙は、こちらからダウンロードできます→http://homepage3.nifty.com/recovery/shoko/kinkyushomei_JDF.pdf

同じファイルが反田克彦先生のあさなぎクリニックブログからもダウンロードできるようになっています。反田先生のご意見もご参照ください。

集めていただいた署名用紙は、日本てんかん協会・本部事務局へ、郵送、FAX.、E-mail、でお送りください。提出期限は、2013年5月15日(水)だということです。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。