ナイトセミナーのお知らせ@作業療法学会

来る6月28日から30日まで、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催される、第47回日本作業療法学会のナイトセミナーでお話しさせていただくことになりました。以下、学会ホームページよりお知らせの一部を転載します。皆さま、大阪でお目にかかりましょう。

やればできるIPSにおける就労支援
このナイトセミナーでは、IPSの理論を使った就労支援を紹介します。就労支援って難しそう、そんな時間がないなど色々な意見があると思いますが、「臨床・職場に戻ってすぐにできること」をコンセプトに3人の講師とフロアの皆様で意見交換できればと思っていますので気楽にご参加下さい。

6月29日(土) F会場 17:30~19:00
進行
芳賀大輔(さわ病院)

講師1
中谷真樹(住吉病院院長)

【働くこととリカバリー】
 アメリカにおいて1980年代より進展してきたIPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)援助つき雇用モデルは、重い精神的病いを持つ人に対する支援として従来支援より有効な、科学的根拠に基づく実践プログラム(Evidence-Based Practice)の一つとされ、わが国でも広まりつつあります。その背景には「人にはどのような状況にあっても回復する力がある」と信じるストレングスモデルの価値観と治癒ではなくリカバリーを目指すという精神保健分野におけるパラダイムシフトがあります。私は多摩市と甲府市で「重い精神の病いを持つ人は働くことはできない」という迷信を手放し、かわりに希望を手にして困難を抱えつつも働いて元気になろうと決意した人・それを応援する人たちの経験に触れる幸運に恵まれてきました。その経験の中ですべての人は夢を尊重され可能性を信じるにたる存在であると実感するとともに、お互いが働く人同士として共通する視点を見つけることが可能になったとき、私たちは利用者と支援者という枠組みから解放され、困難や悩みを抱えながらも働いて元気になることを目指す人同士のつながりを感じることができると考えるようになりました。

 ナイトセミナーでは、働いて元気になることを決意した方がその道のりを歩むのに大切な情熱を、参加される皆さまとともに感じ取れる時間を過ごしたいと考えています。
講師2
澤田恭一(一般社団法人FLaT 代表理事)
【IPSの実践:明日からすぐにできること】
 精神科デイケアにおける約4年間の個別就労支援活動の経験の中で、利用者の皆さんから多くのことを教えていただいてきました。Bさんは主治医に就労を強く反対されていましたが、Bさんが中心となって主治医からの応援がもらえるための策を考え、結局、主治医も就労を応援するようになりBさんは希望の事務職へ就職が決まりました。Cさんは就労してすぐに症状が再燃してしまい、入院と2度の退職を経験されましたが、諦めず就職活動を続けて就職先を見つけられ2年以上の就労を経験されています。明日からすぐにできることとして、私自身がBさんとCさんに教えてもらったこと。それは、まず、本人の希望にのっからせてもらうこと、そして、諦めないと決めることです。ナイトセミナーでは、皆さんと一緒に、また新たな「明日からすぐにできること」が見つかるような有意義な時間にしていきたいと今から楽しみにしています。

講師3
金山達也(佐川急便)
現在、仕事をしながらさわ病院デイケアセンターに通っています。デイケアでは働くまで就労支援を受けていました。就職活動中は、合同面接会に連れて行ってもらったり、面接に落ちたときには励ましてもらったりしていました。また、現在の仕事もフォローしていただいています。当日は就労支援を受けた話をしたいと思います。

※就労支援センターFLaTさまの活動はこちらのブログをご参照ください→http://flat-style.sblo.jp/

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。