前三後一

ある方から、「前三後一」という言葉を教わりました。これは「ぜんさんごいち」と読むそうで、師子つまりライオンには前三後一という習性があるという故事からきた言葉だそうです。ライオンは大動物を襲うときも小動物を襲うときも、敵と相いまみえる際には、三歩前にすすんで一歩下がる、また三歩すすんで一歩さがる、つまり敵が弱いからといって侮らず、強いからといってひるまず、どのような相手でもこれは変わらないのだそうで、これがライオンが百獣の王といわれる由縁だろうと思います。すすむことだけではなく、慎重さを兼ね備え、落とし穴にはまらないという気構えがあります。

この言葉は日蓮大聖人がこのライオンの強さ、すなわち「師子奮迅之力」について”経王殿(きょうおうどの)御返事”という書物に書かれた「師子王は前三後一と申して、ありの子を取らんとするにも、又たけきものを取らんとする時も、いきをひを出だす事はたヾをなじき事なり。」という一節から広まったようです。
何事にも慎重さを残しつつ前向きに進むことを言い表した良い言葉と感じました。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。