浜田晋先生ご逝去

東京、上野にある浜田クリニック院長で、NPO法人メンタルケア協議会の顧問でいらっしゃる浜田晋先生が12月20日にご逝去されたとの報に接してしまいました。

<浜田晋先生ご略歴>

1926年生まれ。1956年東北大学医学部大学院修了後、東京大学医学部精神神経科学教室入局。その後都立松沢病院、都立精神衛生センターなどを経て、1974年に東京下町に浜田クリニックを開業して今日に至っておられました。
この間、1966年には日本精神神経学会賞受賞(「日本脳炎後遺症の病理学的研究」)されるなど、学問の分野でもご活躍されましたが、都立松沢病院における臨床経験から、病いをお持ちの方に寄り添うことの必要性を情念としてお持ちになるようになり、1974年に下町にご自身のクリニックを開業されました。以後、訪問診療にまい進された先生は、わが国の農村医学の創始者である若月俊一氏に地域医療への貢献を高く評価されて1992年、精神科医として初めて若月賞を受賞されました。
1999年夏には自らが呼び掛けて「NPO法人メンタルケア協議会」の前身である「地域メンタルケア協議会」を設立。今日までの間に、この協議会は日本の精神科医療・福祉が直面する喫緊のテーマに関して情報収集、調査研究を行い、精神科の医療と福祉に携わっている専門家の意識を深め、喫緊のテーマに対して積極的な取り組みを促し、障がいをお持ちの方々、ご家族、そしてその人々を支えている人たちが、持てる力を発揮出来るように、情報の提供などの支援活動を行って、公正で、より効率的な、精神科の医療と福祉の実現を目指してこられました。
2001年には私の所属する日本病院・地域精神医学会に多額のご寄付をいただき、理事会はそのご寄付を原資とする「浜田賞基金」を設立させていただいて、その後毎年学会年次総会において、精神医療の現状の充実、そしてまたその変革に向かい、地道な努力をし続ける会員個人または会員の所属する団体の顕彰を行わせていただいています。

浜田晋先生の生前のご遺徳をしのび、ここに謹んでご冥福をお祈りさせていただきます。

※お写真は、メンタルケア協議会の第6回シンポジウムでの浜田晋先生のお姿です。NPO法人メン
  タルケア協議会様のご厚情により、掲載させていただきました。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。