酒なし忘年会2009

さる12/15、今年もアルコールセンターでアルコール依存からの回復を願う人や、その人のことを思う人たちによる「酒なし忘年会」が開催されました。

  

会場となったアルコールセンター2Fの会議室には多くのご本人、ご家族、関係者の方々が集われました。はじめの言葉に続いて断酒会誓約朗読が自治会副会長様により読み上げられ、私もご挨拶をさせていただきました。その後、大河原副院長の講話があり、2名のご本人様、1名のご家族の断酒会会員様が体験発表をされました。いずれもアルコール依存症からの回復を願う方の真剣な人生の話であり、私は大いに学びを得ました。

自治会長様の謝辞のあと、全員がお茶で乾杯をし、みなさま心づくしの果物や食べ物を囲んで、大いに交流と相互の学びを深めました。カラオケやビンゴなどを楽しみました。

今年の講話は大河原副院長でしたが、これも私には非常に心に残りました。ご本人の許可を得て原稿の一部をアップさせていただきます。

 回復は連続ではなく、不連続ではないか・・・そう思い始めた。

 最後に飲酒した日の記憶。

 いつしか、気がついたら飲まずに3か月が過ぎていた。

 さあアルコール依存症からの回復を考えよう。ふたたび元へ戻らないと確言できるか。その人は多いだろう。

 10年酒を止めて再飲酒してしまう人はいる。この間なくなった方も5年は一滴も飲まなかったのだ。しかし、飲酒を再開してからは無惨だった。

 ふたたび「元へ戻らない」との確信が得られなかったのだと思う。

 アルコール依存は「飲んだか、飲まないか」あまりにはっきりしている。単純だ。だから逆に甘く見てしまうこともあるだろう。元へ戻ればいいやと。

 飲む自分と飲まない自分の往復ができると勘違いしてしまうのではないだろうか。その落とし穴に多くのアルコール依存症者がはまってきた。

 アルコール依存症からの回復は酒を止め続けるだけでは足りないかもしれない。
 回復の不連続性をしっかり味わうことが必要なのではないか。

 回復の始まった日を記憶し、後戻りしない確信、この二重の意味で不連続なのだ。
 人生に於て、後戻りのきかないことはある。きくこともある。

 代表的なのは死。もちろん自死も。アルコールはどうだろう。

 回復という、後戻りのない道へ踏み出してほしい。




最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。