アルコール行軍11月

11月16日、アルコールセンターでは伝統のアルコール行軍がありました。退院された先輩も参加されて、朝、アルコールセンター前で準備運動を行い、後から合流される方や居残りのスタッフの拍手に見送られてみんなそろって出発しました。

本日の行き先は山梨縣護國神社です。甲府駅の北口を武田神社にむけて登っていく途中の交差点を右折します。ここまでみんなで歩いていくわけです。

行軍は作家のなだいなだ氏が勤務していた国立久里浜病院で発案した治療の一環です。行軍は期日が定まっており、天気とは無関係に実施されます。散歩でなく、集団で、脱落者を少なくし、かつ迅速に目的地まで移動することが目的になります。私もかつて久里浜病院でアルコール依存症の治療に関する研修を受けたときには行軍に参加しました。病棟を離れる開放感のみではなく、規律と一体感、目的達成感、そして歩いている間の自己発見などが印象に残っています。

今月は研修医の先生が勤務されているので、恒例により行軍に参加していただきました。感想文を書いていただきましたのでアップします。

行軍に参加して

 行軍は『社会復帰に向けて心身の鍛錬及び、苦しみに耐える忍耐力を養い、個人では遂行でき得ないものを集団の力により遂行し、一番大切で難しい断酒生活に必要な力に置き換えること』を目的に行われる集団でのウォーキングである。入院患者さんや退院患者さんが参加し、歩行に参加できない患者さんも弁当係・応援として参加するなどアルコールセンターが一体となったイベントであった。

 今回は住吉病院を出発し、善光寺を経由しながら護国神社へと歩いた。気温も低くゆっくり行くと思
っていたが私にはかなりハイペースのように感じた。このアルコールセンターを退院され、現在は社会で生活されている方々も参加しており、先頭で集団を先導し、一丸となって歩いていった。街を抜け、愛宕山を登る辺りから季節柄紅葉がとてもきれいであり、季節を感じながら自然を歩く病院とは違う景色・気分を味わうことができた。ゴールの護国神社では歩行不参加者の運んでくれたお弁当を食べ、しばらく休憩した後、来た道とは別の道で住吉病院を目指した。この辺りから足が痛くなり日ごろの運動不足を実感した。患者さんについていけないのは恥ずかしいので、なんとか頑張った。

 病院についた後、反省会があり、各々が本日の行軍の感想を話した。『以前よりよく歩けた』など今
までの行軍の体験を交えつつ今回の感想を話している方が多く、毎月この行軍を行うことで治療の過程も1つ1つすすんでいることを実感している様子だった。また、入院患者だけでなく退院された患者さ
んも参加することで、双方によい刺激になるだろうと感じた。
 アルコール治療の伝統ある1事業である、行軍を体験できてとてもよかったと思う。

行軍のように伝統を受け継いで、私たちはさらに前進していきたいと思います。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

※個人情報保護の観点から、お顔の部分に修正を加えているところがあります。

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(wrote:財団法人 住吉病院