山梨高次脳機能障害を支える会「甲斐路」
- 2009.10.08
- 日記
高次脳機能障害とは、病気や事故などの様々な原因で脳が損傷されたために、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などに障害が起きた状態です。認知障害、神経心理学的障害などともよばれています。
原因として最も多いのが脳血管障害ですが、事故による外傷性の脳損傷でも多く見られます。その他、脳炎や低酸素脳症などでも起こります。高次脳機能障害の多くは外側からはわかりにくく、ご本人も病気だとはわからない場合も少なくないために、ご家族からも理解されにくかったり、ご家族がご本人の対応に追われてメンタルが疲弊してしまうこともあります。
わが国では、約10年前に「高次脳障害」という用語が広まり始めましたが、まだこのことは十分には知られていません。しかし一昨年、山梨県に、山梨高次脳機能障害を支える会「甲斐路」が立ち上げられました。また、昨年には県が中心となって、実態・ニーズ調査が行われました。
山梨県高次脳機能障害者実態調査結果はこちらでご覧になれます
→www.pref.yamanashi.jp/shogai-fks/
さる10月3日には山梨高次脳機能障害リハビリテーション講習会が県立文学館講堂で開催されました。私は、残念ながら他の地で講演をしていて参加できませんでしたが、さまざまなお立場の方が集まり、熱心に意見交換をされたと聞きました。
ご本人の方のご発表も会ったと聞きました。私の知り合いからうかがった話では、発表者の方が当日みなさまにお伝えしたかったことは3つあったと聞きました。それは、
1.高次脳機能障害を得た自分のことを伝えて、このような障がいを持つ人がいること、
それが回復するのだということ。
2.自分は、一般のところで働きたい。
3.障がいゆえに交通手段が制限されていることがあって、そのことに支援をしてもらいたい。
ということだそうです。精神疾患でも認知機能障害を意識したかかわりを持つことが多い私ですが、どれも私の知る精神的困難から回復していると感じている方々のおっしゃることと同じだと思いました。また、前頭葉の機能低下や認知・記憶の特性を調節するコツによって働くことへの道が開けることなど、回復の道を歩むひとに応援をするにあたっては共通することが多いと感じました。そして、なによりも共通しているのは「人は誰でもリカバリーする」「リカバリーを信じることがなによりも大切である」ということでした。
「甲斐路」の連絡先は、このページに掲載されていました
→http://npo-jtbia.sakura.ne.jp/about/jtbia/associate_member.html
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
(wrote:財団法人 住吉病院)
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