キーワードはリカバリー

さる9月18日~19日に和歌山市民会館で行われた、第52回日本病院・地域精神医学会総会に参加してきました。さまざまな人たちが職種や立場を超えて集まってこられました。以下は、私の個人的視点を通してみた今学会のダイジェスト(?)です。

心理教育:

初日に一般演題で心理教育のセッションがありました。どの発表も、心理教育の枠組みを利用しながらご家族や当事者とともに活動し、支援者自身が気づきを得ていく過程があらわされていました。個人としては「衝動」をテーマにした試み、「困難事例に対するスタッフの対応」に関する実践の報告が心に残りました。どちらも利用される方の言葉をきちんと受け取り、共通の言葉の意味を模索しながら共通の理解を目指すことが表されていました。リカバリーを信じることの重要性を再認識しました。

精神科薬剤セミナー:

2日にわたり、学会「情報委員会」主催の「精神科薬剤セミナー」が開催されました。両日とも講義を行ったうえで、シンポジスト、さらに若干のフロアとのやり取りもありました。適切な精神科薬物療法を目指すために、スタッフのみならず、ユーザーの方も含めたチームでの協働が重要であり、そのためには、ご本人の何を治療の目標にするかという、共通の認識が必要だと感じました。その目指すものはリカバリーに他ならないのではないか、と個人的には思いました。

就労支援:

最終日に就労支援のセッションがあり、私たちの法人での取り組みについてご報告させていただきました。IPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)モデルによる援助つき雇用と障害者就業・生活支援センターの実践についてのご報告でしたが、ご質問もいただき、また、同じセッションでご発表いただいた方ともセッション後に意見交換をさせていただきました。「働くことを応援する人がまず”働くことの楽しさ素晴らしさを体現する”」ことの大切さを新たにしました。

その他にもWRAP研究会の皆さまとも交流させていただきました。学会としてはリカバリーをキーワードにして立場や属性を超えた交流がさらに進んだ印象を持ち、元気をいただいて戻ってきました。

 和歌山ではサラダは「中盛り」で丼に山盛りで出されます。

和歌山ラーメンのお店で出会った(?)「テツ&トモ」さん

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

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(wrote:財団法人 住吉病院