通じる言葉を使う

IPS勉強会の第13回が開催されました。

今回は 第15章「異文化理解と就労」のまとめ発表と質疑応答 でした。

本ではベトナム文化の元に育った方に就労の援助をする際に、その方の文化的背景を考慮しながら支援にあたっていく雇用スペシャリストについてが書かれてありました。発表後に話し合っているうちに「結局は人の背負っている背景は一人ひとり違っており、その背景を十分理解して支援することがIPSの基礎理念である」ということに気づきました。ある人の持つ特性や所属ではなく、あくまでも個別にサポートすることが重要なのだと話し合いました。

「文化が違うと言葉が違うことがある」という意見が出され、それに触発されて、生まれ育った地域が異なると、言葉の意味が共有しにくいという話になりました。そのときに、企業のお立場でご参加されている方のコメントをいただきました。それは、

・支援者の方の言葉が一般企業の現場の人に通じないことがあるような気がする
・たとえば「就労支援」と言う言葉があるが、職に就くのは「就職支援」としかいわないような気がする。
 特別な言葉を使うと特別なことをしなくてはいけないような気持ちになるかもしれない。
・「発作」という言葉は普通は「心臓発作」や「卒中の発作」につながりやすい。そうなると、メンタルの
 場合に時に有効な「そっとそばにいて見守る」という援助が受けにくくなるかもしれない。

というものでした。ひょっとすると、私たちが援助するときに使っている言葉がかえって偏見や混乱を助長している可能性があるのだと、また大きな気づきを得ることができました。思えば、この勉強会は「物事を良く知るの立場のものがまだ知らない人を教え導く」ものではなく、一緒に集い語り合って、共通の言葉を手にするためのものであったことを改めて意識しました。

会の終了後に場所をかえて行われた暑気払いの会でも、時間を忘れそうになるほど、語り合いました。ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

13回をかぞえたIPS勉強会ですが、今回で「ワーキングライフ」を読みきりました。私にとって楽しく、新しい気づきを得る大切な会になりました。これからも毎月1回、障害をお持ちの方の働くことを応援しようと思っておられる方とお目にかかれれば、と運営委員一同思っております。

みなさま、どうぞお気軽にご参加下さい。

お問い合わせはすみよし障がい者就業・生活支援センター→http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/center.html

または住吉病院までお願い申し上げます→http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/mail.html

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

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(wrote:財団法人 住吉病院