笑顔が戻るということ

先日、京都の「先行く人」から、実践されている様子を記録した番組のDVDをいただきました。当事者の方の地域での生活を応援して、ともに成長していく過程がさわやかに描き出されていました。何名かのお顔を見知っている方を含んだ多くのスタッフがサポーターとして活動していく姿は生き生きとしており、私の同僚が京都に研修に行った際のみやげ話を聞いたときのことを思い出しました。

DVDはACT(Assertive Community Treatment=包括的地域支援)をツールとしてその人が、その人らしく地域で暮らしていくことを応援することを記録したものでした。そして、実践を通じて地域の人にも「こころの病い」を得た人がリカバリーしていくことが伝わっていくということをはっきりと示していました。リカバリーの概念について熱く論じるのではなくとも(熱く論じることも時に必要だと思っていますが)、「笑顔が戻る」ということが圧倒的な説得力をもって「リカバリーの何たるか」をあらわしているのだと感じました。

私たちは、自分が大好きでやっている仕事が素晴らしいものであることを広めたい、自分がよって立つ理念をたくさんの人に聞いてもらいたい、という想いをもって働いていることもあります。しかし、それはうすい実践をキレイに整えた見本の入ったショウケースを抱えてお得意様をまわることでもなければ、日常的でない化粧をして曲芸をするサーカス団の興行をうつことでもないのだと知りました。楽しい夢を配って歩くのではなく、一人一人がもう一度、希望をその手に取ることを応援することが大事なのだともう一度胸に刻みました。

「先行く人」からは地に足のついた実践の素晴らしさ、力強さを再び教わりました。良い成長の機会を与えていただいた関係者の皆さまに厚くお礼申し上げたい気持ちになりました。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。

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(wrote:財団法人 住吉病院