IPSの原点を振り返る

山梨精神医学研究会にて、久しぶりに、かつての同僚と一緒にIPS(Individual Placement and Support)による就労支援のシンポジウムを行いました。

かつての同僚は、一緒に働いていた頃よりもさらに素晴らしい実践家になっていました。科学的根拠に基づく支援IPSの実践からさらに前進し、当事者の方ともとけこみ地域を巻き込んだ活動を展開して、プレゼンテーションでも格段の向上ぶりがみてとれました。広く名を知られ行政にもパイプを作り上げた彼女からは「人の幸せのために働いている」という気持ちと元気がみなぎり、まばゆいばかりのオーラが出ていました。

同行して来甲された株式会社エイトの管理本部ご担当者様のご発表では「障がいをお持ちの方ともマッチングをはかり、障害者だからといって特別な尺度を用いないでも一緒に働いていくための評価することができる」というお話しをいただきました。会社で試行錯誤のうえで業務で使っているという雇用管理ツールを惜しげもなく無償配布していただけるとのお話しには耳を疑うほど感動しました。

株式会社エイト

弊法人の発表では、就業・生活支援センターにおいても医療との連携がIPSによる就労支援の力を発揮させることを明らかにさせていただきました。

最後の当事者の方のお話しは感動的なものでした。本当にいろいろな体験と仕事についての挫折。懸命に訓練して努力を続け、そして期待してあけた「就職」という箱からは次々に失敗が出てきて、何度もやりなおしを続けてこられました。そしてついに、箱の最後に残っていたのは「自分がやりたいと思った仕事に就く」という「夢・希望」でした。やりたいと思った仕事をする。そのことこそがリカバリーのために大切なのだと教えられました。

シンポジウムで見たムービーも感動的でした。作りのきれいさも素晴らしいものでしたが、このムービーを当事者の方たちとの実践の中で作りあげてきた支援者の情熱を感じたときに背中に電気が走る思いがしました。ムービーの中には見知った方たちの笑顔もありました。株式会社のご担当者様からも、私のかつてお目にかかっていた当事者の方が会社で働いているところの写真を見せていただき、「よろしく」という伝言をいただきました。

私は、微力ながらも誰かのためになる仕事をしているようでいて、実は、私こそがみんなから支えられ、はらった努力の何倍も幸せにしていただいているのだと思いました。そして、IPSとはただ仕事をするためだけの支援なのではなく、誰だって自分の夢を目指すことによってリカバリーしていくことへの支援なのだという思いがよみがえりました。

原点を思い出し、「もっと頑張ろう」と、こころに誓いました。

IPSについてもっと学びたい方には、養成者研修会がありますので、お知らせいたします。http://ipstokyo.blogspot.com/2009/01/blog-post.html

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(wrote:財団法人 住吉病院