メンターシップ

最近、(あくまで私から見て)若手の医師の方々とご一緒に仕事をさせていただけるようになりました。私は日本精神神経学会の認定医指導医でもありますが、指導医講習会でもいわゆる学術的なスキルだけを”伝授する”ことが指導ではないことが強調されています。無論、私自身もかつて自分自身が若く、未熟であった(現在も未熟ですが。。。。)頃にご指導を賜ってきた先生方には、単なる診療技術だけではないものをお教えいただきました。

最近、支援技法としてメンターまたはメンターシップという考え方が広まっています。

人材育成においては、今日、従来のトップダウン式の管理体制の硬直性が指摘され、より柔軟な人材育成が志向されるようになりました。上意下達によって上司の命令通りに動く人材ではなく、自ら考え判断する能力が強く求められるようになったわけで、自律的な組織・人材を管理・育成する「自ら考えて真理を追究することを教える」手法は注目されています。

今日、有名なメンターとメンティーの関係はソクラテスとプラトンが知られていますが、ソクラテスはアポロンの選択を通じてもっとも知恵のある者とされましたが、ソクラテスはこれを、自分だけが「自分は何も知らない」ということを自覚しており、その自覚のために他の無自覚な人々に比べて優れているのだと考えたとされています。ソクラテスは相手との対話を通して相手自身で真実を発見する力を高める哲学者であったので、メンターシップもそういった関係性に由来しているように思われます。

メンターシップにおいては、被支援者の自立を意識し、特定の領域においてスキル、経験、人脈などが豊富な人(メンター)がそうでない人(メンティー)に対して成果と意欲の両面において、課題の達成と意欲の促進のために共に学びながら一定期間継続して行う支援する行動全体がメンターシップということになります。

支援のためには、そのゴールに向けた計画(よく計画されたものである必要があるが、タイムスケジュール通りに活動させるような硬直化したものはよくない)、評価が重要です。なにより、課題を設定するためにはメンティーの目指すゴールが何であるか、が重要であり、メンティーはメンターから彼らの夢を追うよう促されます。

私は「やりたいこと」を目指すという方向性でこれまでやってきました。指導を受けた先生方への感謝を忘れずに、次代につなげたいと思っています。

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(wrote:財団法人 住吉病院