統合失調症その1

 

院長の勉強会は、現在疾患編に入っています。この間は「統合失調症」のその1でした。

   

統合失調症は、実に古い古文書によっても、その疾患の存在が想定されいた疾患ですが、その症状としては、

陽性症状:幻覚/妄想/思考の混乱/歪んだ知覚 など

陰性症状:感情鈍麻/意欲の低下/無関心/エネルギー不足 など

のほかに、近年「認知機能障害」が注目されています。

認知機能障害には、注意集中、ワーキングメモリー、情報処理のスピード などの分野での機能低下があるとされており、実は、陽性症状や陰性症状よりも認知機能障害のほうが統合失調症の予後を予測するのに強力だと考えられるようになりました。

 

   

幻覚や妄想には主にドーパミン系の機能不全があり、

中脳皮質系のドーパミン活性の低下が陰性症状

中脳辺縁系のドーパミン活性の亢進が陽性症状

抗精神病薬治療による黒質線条体系のドーパミン活性低下がパーキンソン症状 をきたすという仮説があります。

   

統合失調症の治療には、薬物療法は重要な位置を占めますが、その他にもさまざまなリハビリテーション、生活や就労の支援が同時かつ包括的に行われることが治療効果を最大にすると思われます。

次回は、さらに統合失調症についてお話しを進めていきたいと思います。

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(wrote:財団法人 住吉病院