リカバリー2
- 2007.11.08
- 日記
リカバリーの概念は近年のメンタルヘルス分野の基礎となる概念と思います。
「どんな状態の人であってもリカバリーすることを”信じる”こと」が何より大事だとされています。このためには、クライエントも、支援者も、双方が希望を持つことが必要になってきます。
リカバリーの段階には次のようなものがあります
1.希望
2.エンパワメント
3.自己責任
4.有意義な役割
これも、利用者の方にだけ起こることではなく、私たちスタッフにも起こるリカバリーの過程だと思います。そして、今後は「希望を喚起する力」が必要になってくると思います。たとえば、包括型地域生活支援の方法としてAssertive Community Treatment:ACTというものがありますが、この臨床活動を通じてはACTの”理念”を軸としたチームでの実践が必要になります。そこでは、多職種スタッフによって議論されるべき点がいくつかあります。たとえば、
・従来のサービスとの違いや自分自身の意識変革について
・リカバリーと危機介入のバランス
・バウンダリーと職業倫理のバランス
などです。
そこから得られたリカバリーを促進する人材に必要な支援理念と技術とは
<支援理念>
障害があってもリカバリーできるという信念
<支援技術>
同等のパートナーとして利用者と向き合うことができる
利用者の希望を尊重する
本人重視・尊重
スタッフと地域との連携も大切である
希望を伝達して本人のやりたいことを伝達していく
<支援に役立つスキル>
モチベーショナル・インタヴュー(MI)/弁証法的行動療法(DBT)
研修の企画や実施に当事者に入ってもらうことも有効
などとされています。
(wrote:財団法人 住吉病院)
-
前の記事
統合失調症における認知機能2 2007.11.05
-
次の記事
アルコール依存症 2007.11.17