7月11日は世界ベンゾジアゼピン啓発デーです

ベンゾジアゼピン系薬の長期・漫然使用の問題点は広く知られるようになり、向精神薬の使用全般についても考える人が増えている気がしますが、毎年7月11日は「世界ベンゾジアゼピン啓発デー (W-BAD) 」としてベンゾジアゼピン系薬の依存性について普及啓発などのソーシャルアクションを起こそうという呼びかけの日となっています。世界ベンゾジアゼピン啓発デーは、医療的に誘発されるベンゾジアゼピン依存症、その副作用、長期的な離脱症候群の危険性について、世界的な認識を高めることを目的としています。

世界ベンゾ啓発デーのホームページ→https://worldbenzoday.org/
※ 日本語に対応しています

W-BADを呼びかけているのはニュージーランド出身で日本に移られてきたウェイン・ダグラス氏で、アシュトン・マニュアルの日本語翻訳者として知られている方でもあります。ダグラス氏は2016年からアクションを起こしており、7月11日がベンゾジアゼピン離脱に関する「アシュトン・マニュアル」を作ったイギリスのヘザー・アシュトン教授の誕生日にあたることで、この日をW-BADに選んだということでした。

前述のホームページではベンゾ注意喚起の日ハンドアウトの日本語版をダウンロードすることができます。
https://worldbenzoday.org/wp-content/uploads/2022/01/JAPANESE.pdf

HP上にあるハンドアウトの一部をへたくそですが訳しました。出典は下記のとおりです⇒https://worldbenzoday.org/wp-content/uploads/2022/01/Dos-and-Donts.pdf

家族・友人・支援の方たちへ:ベンゾ離脱中の人に支援するために

 あなたが、ベンゾジアゼピン(BZ)(および/または他の向精神薬)を中止したことによる離脱症候群を経験している人をサポートしているとき、通常のアプローチでは効果がないことがわかります。離脱は奇妙な行動や一般的ではない身体的および心理的反応を引き起こす可能性があります。これはあなたを圧倒するかもしれません。そして、あなたはどう進むべきかわからなくなるかもしれません。
 あなたがすることができる最も重要なことはそこにいること、その人のためになにか利用できる状態でいること、そしてほとんど絶えず励ましを与えることです。
 穏やかでいてください。言葉で、あるいは言葉を使わずない方法で離脱している人を慰めます。温かいノンカフェインの飲み物をすすめたり、必要に応じて手を握ったり、やさしく触れて安心をしてもらってください。彼らの経験や感情を確認し、泣いたり、怒ったり、必要であれば黙っていても大丈夫であることを伝えます。
 私たちはあなたに判断を保留し、できるだけ辛抱強くいるように努めるようお願いします。問題のある離脱は、関係者全員をドラマに出てくるような嵐や、特徴のない行動、経済的困難、人間関係の摩擦などに巻き込む可能性があります。これらすべてが一時的な、離脱に起因するものであり、時とともに回復すると信じてください。
 離脱症状を持つ患者が訪ねてくるつもりがあるならば、あなたがどれくらいの時間を費やすことができるかを彼らに知らせることは良い考えです:
「私たちは1時間かそこらの間話すことができます、それから私はスーパーマーケットに行き、後で学校から子供を迎えに行く必要があります」。
 これは、あなたがその時間を提供することが可能であり、彼らがあなたにとって「負担」ではないことを知らせ、あなたの友人や親戚がリラックスする時間を与えるでしょう。 (これはしばしばBZ離脱患者が感じる懸念の問題です)それはまた、あなた自身の燃え尽きを避けるためにあなたがBZ患者からしばらく離れていることを可能にするでしょう。
 十分かつ適切な支援を与えることで、あなたは誰かの離脱体験に有益なプラスの効果をもたらしています。あなたの貢献は、彼らがどの程度この症状にうまく対処するかを決定する上で最も重要な要素の1つになる可能性があります。

公益財団法人住吉偕成会は、一昨年度から吉尾隆理事長のもと、精神科薬物療法サポートセンターを開設いたしました。このセンターとも歩調を合わせながら、住吉病院は今後とも適正な薬物療法を心がけてまいる所存です。

サポートハウスとびらの処方薬ミーティングは現在一時お休みしていますが、病院併設のケアセンターでは、減薬断薬を含む体調管理や、気持ちや情報の分かち合いの機会を求める方々の学びあい・ピアサポートの場も提供しています。月・火曜日には身体をリフレッシュするプログラムがあり、水曜には病いについて語るプログラム、木曜日には対話のひととき、金曜日の午後にはWRAP🄬についての学びあいの時間も持たれています。困難な状態におけるリカバリーには希望を持ち、お互いにサポートしながら学びあい、しんどさを表現・共有し、人生の主導権を取り戻すことが大切だと思います。よろしかったらご利用ください。

  

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。