世界統合失調症デー
- 2022.05.25
- 日記
5月24日は「世界統合失調症デー」です。統合失調症は稀な病気ではありませんが、偏見が根強く残っているためにこの診断を隠さざるを得ない日々を過ごしていらっしゃる方も少なくありません。そのような偏見の中でひっそりと生きていくことは辛いことだと思います。この日は統合失調症について、ご本人、ご家族、関係者の方々、市民のみなさま、みんなで、偏見による生きづらさを乗り越えるとはどういうことか、病気を隠さずに生きることができるような社会になるために、偏見に対して私たちはどうあればいいのかなど、一緒に考えていく日になっていくと嬉しいです。
京都で活動しておられる「統合失調症グリーンカフェ」様は2019年から世界統合失調症デーを日本で広げる活動を開始されています。
https://schizophreniacafe.jimdofree.com/
世界統合失調症デーは、統合失調症にかかっても安心して暮らせる社会をめざして、世界中の人たちが発信する日です。
・5月24日は世界統合失調症デーです。参加方法は、SNSに #世界統合失調症
デーで投稿を。とくにTwitterは例年盛況です。
・5月24日の前後1週間くらいが統合失調症週間です。誰でも自由に関連イベン
トや関連制作などできます。 #世界統合失調症デー をつけて広報してくださ
いね。
・統合失調症をもつ人の著作の感想文集を無料マガジンで随時更新中です。
#worldschizophreniaday
#worldschizophreniaday2019
#schizophreniaday
一人でも多くの方が声を上げていただけますようにお願い申し上げます。
統合失調症というのは以下のような精神的困難の状態を表す診断名です。
厚生労働省のホームページにも説明文が載っています。https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html
統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受けたり、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。
統合失調症の原因は、今のところ明らかではありません。進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化が、発症の契機となることが多いようです。 ただ、それらは発症のきっかけではあっても、原因ではないと考えられています。
様々な研究結果を総合すると、統合失調症の原因には素因と環境の両方が関係しており、素因の影響が約3分の2、環境の影響が約3分の1とされています。素因の影響がずいぶん大きいと感じるかもしれませんが、この値は高血圧や糖尿病に近いものですので、頻度の多い慢性的な病気に共通する値のようです。
子どもは親から遺伝と環境の両方の影響を受けますが、それでも統合失調症の母親から生まれた子どものうち同じ病気を発症するのは約10%にすぎません。
こちらは日本精神神経学会による説明ですhttps://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=4
今まで出来ていたことができなくなるのではなく、意識されてしまうのです。なので、ものを扱うこと、ほとんどすべての運動、特に人間関係のちょっとしたことも、全て強く意識しないと出来なくなる。そういった、生活の全体的な変化が、患者さんに取ってとても困ることになる病気だと思います。
いいかえるなら、こころも体もぎこちなくなる病気です。
いろいろな感覚と刺激も強くなるので、人のちょっとした動きや物音も強く響いてしまいます。そのため、電気を消したり、弱めたり、日光を遮ったりして、結果的に引きこもる人もいます。人とちょっと目が合ったとか、そう言うのが強く響くようになり、「にらんでいる」とか「自分に好意を持っている」とか、特別な意味があるように感じられて、被害妄想とか、命令する幻聴とか、自分の考えが外に漏れてしまうと考えて、恐ろしくなってしまう、という症状が起こる人も居ます。
今まで何でもなかったことに、たくさんの特別な意味が出てくると、「世界から圧倒される感じ」になり、自分という存在が、ひっくりかえってしまいます。この「ひっくりかえり」が統合失調症のはじまりだと思います。感覚が過敏になることは神経症でも、うつ病でも起こります。でも自分(主体)と他者(客体)がひっくり返ることはありません。最初は自分の感覚が鋭くなったから…と思っていたのが、自分の中の変化ではなくて、外部の誰か、あるいは何かが作り出しているという、逆転現象が起こるのが、統合失調症の特徴と考えます。その結果、さまざまな症状が起こり、生活全体に影響が出る病気と考えます。
弊法人で働く仲間の中にもこの診断を持つ人たちがいます。仲間たちから教わったことが私にはたくさんあります:
・薬を飲んで大人しくしていることだけが治療ではありません。
・共感的でおだやかな人間関係は、とても助けになります。同じく精神的な
困難を経験をした仲間との交流が意義あるものになるかもしれません。
・生活をするうえで希望ややりがいのある暮らしをすることは大事です。自分
の目指すもの・楽しみを大切にする権利があります。
・何かを無理やりあきらめる必要はありません。あせらず無理せず少しずつ
リカバリーの道を歩んでいくことができるはずです。
・病気は人格の/暮らしの一部分にすぎないのです。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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