甲斐善光寺

年の瀬も近づいたある日、新型コロナ感染症第6波がまだ山梨県では始まっていないこともあって、三密を避けて外出しようと、甲斐善光寺を訪れました。午後3時前ということもあって境内は人手も少なく、落ち着いてお参りをすることができました。
  

甲斐善光寺は永禄元年(1558年)に信玄公によって現在の地に創建されました。信玄公は長尾景虎(上杉謙信)と長年にわたり激しく争そい、五次に渡る川中島の戦いを繰り広げましたが、信玄公は信濃善光寺の焼失を危惧してご本尊の善光寺如来を永禄元年に甲斐へ持ち帰って信濃善光寺とほぼ同じ大きさの本堂を建てておまつりされたとされています。しかし、その後火災で焼失し、現在は往時より小ぶりとなっています。
  

お堂の中には鳴き龍があり、信濃善光寺と同じく「お戒壇巡り」もできます。私も巡らせていただいて暗闇の中の鍵を触れることができ、ご本尊様とのご縁を結ばせていただきました。お堂の中は撮影禁止のため、外側からの写真のみになってしまっています。
  


その後織田・徳川による甲州征伐によって武田家が滅亡すると、善光寺如来は織田・徳川・豊臣氏を転々としたのちに信濃善光寺に戻されました。したがって現在の甲斐善光寺のご本尊は銅造阿弥陀三尊像で、これはかつてのご本尊の前立像であったそうで、昭和48年(1973年)には国の重要文化財に指定されています。ご本尊は秘仏であり、普段は我々のの目に触れることはかないませんが、7年に1度だけご開帳が行われることとなっています。
  


本来は昨年がご開帳の年でしたが、コロナ禍の影響で1年延期されておりました信州善光寺ご御開帳が令和4年(2022年)4月3日~6月29日の88日間開催されるのに合わせて、甲斐善光寺においても同じく本年4月3日~6月29日に拝むことができます。今回もご本尊のお姿を拝みにまいりたいと思います。

 
 
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。