議論のためにフィンランドの小学生が作った10のルール

ここ数年、私はLEAPアプローチの実践やオープン・ダイアローグ/アンティシペーション・ダイアローグなどを学びながら、対話と傾聴についての理解をすすめようとしてています。さまざまな学びの場でご一緒になる参加者の方からは「やり方はわかるのですが、実際に行うとなると難しいと思います」というご意見をいただき、共有することが少なくありません。

そのような中で、オープン・ダイアローグ発信の地であるフィンランドの小学5年生が作ったという「議論のための10のルール」というものに出会いました。


北川 達夫著「図解 フィンランド・メソッド入門 」経済界

 

1. 他人の発言をさえぎらない
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
7. 最後まで、きちんと話を聞く
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない

重要なのはこのルールが教師や学校によって与えられたものではなく、討論や対話のために必要なこととして生徒によって決められたということです。WRAPRクラスでの「ガイドライン(安心のための同意)」のようなイメージかと私は感じました。

メンタルヘルスの分野では対話や傾聴が必要だと言われています。しかし、それは医療や福祉や支援における「有効な技法」ではなく、そのことを醸成するための背景や文化から想像されていくものであることが大切だと思います。異国とはいえ、小学生たちが創造できるものが私たちにとって無理なこととは思っていません。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。