当院外来をご利用の皆様へ

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2017年3月31日

さる3月21日付で、厚生労働省は催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬として使用されている「ベンゾジアゼピン系薬」などについて、常用量でも薬物依存が生じるおそれがあることを認め、長期使用を避けることなどを明記するように、日本製薬団体連合会などに対し、「使用上の注意」を改訂するよう指示しました。
改訂の対象は、当院を含む一部の精神科医や精神科専門薬剤師等がこれまでにも注意を喚起し減量に取り組んできたエチゾラムやアルプラゾラム、ゾルピデムなど44種類になります。当院では向精神薬の適正使用を目指しておりますが、ベンゾジアゼピン系薬剤などには短期間の使用ではよい効果があるものの、徐々に効果が減じて処方量が増加していってしまったり、薬をやめると症状がより強く生じる離脱症状が生じたり、精神的に依存が生じる薬剤があるとされており、こういった薬剤は欧米では処方が控えられ、長期的な使用が制限されています。一方でわが国では漫然と長期かつ多剤大量に処方されているケースが多いとされており、国際的にも際立っておりました。

今回改訂の重要な点は
国がベンゾジアゼピン系などの催眠鎮静薬・抗不安薬及び抗てんかん薬について「承認用量の範囲内でも、薬物依存が生じることがある。漫然とした継続投与による長期使用を避けること」と明記を求めたこと、すなわち常用量依存の存在を公式に認めたことです。
当院で採用している薬剤のうち該当する薬剤一覧をお示ししますので、ご利用者様各位におかれましては処方内容について担当医師とご相談いただきますようにお願い申し上げます。
ベンゾジアゼピン系薬を中止する場合には、離脱症状群でさまざまな変化が生じます。強引な減薬/断薬をせず、こういった取り組みを行っている医師・薬剤師に相談しながら徐々に減量するなど慎重に行っていただきたいと思います。減薬/断薬の速さや方式は人それぞれでありますし、多くは当初の見込みよりも長くかかっているともされています。当院では処方相談について薬剤師外来もありますことを付け加えさせていただきます。
※医薬品医療機器総合機構では、今回の改訂についてお知らせを掲載しています。
  →http://www.pmda.go.jp/files/000217046.pdf

                     住吉病院 院長 中谷真樹

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。