「ミスターラグビー」逝く
- 2016.10.27
- 日記
元ラグビー日本代表・日本代表監督の平尾誠二氏が亡くなりました。1980年代に出現した、まさしく「天才」ラグビープレイヤーであり、伏見工業高校を、同志社大学を、神戸製鋼を、そして日本代表を率いて大活躍されました。卓越した状況判断、鋭いステップ、比類なきリーダーシップ、そしてほれぼれするようなルックスを兼ね備えた、まさしく非の打ち所のないラガーマンでした。
私がまだ県立の病院に勤務していたころ、当時の八田村でラグビー日本代表の合宿がありました。明らかに一人だけ格好いい平尾さんのことを思い出します。私や配偶者のような1ファンにも温かく接してくれた人でした。そして、34歳の若さでJAPANの監督に就任し、のちにはサッカー日本協会の理事もこなすという、フットボールのすばらしさを体現してくれた人でした。その目は世界と未来を見据えていて、当時は誤解や批判を受けても、ラグビーの国際化と組織のために個人が強くあらねばならないこと、これまでの慣習を超えて外国人選手を国内に導入して新しい方向性を打ち出すことなど、今では当たり前のことを20年前に発信していました。
平尾選手の試合で2つ、今でも覚えている試合があります。1983年10月、JAPANが強豪ウェールズの本拠地カーディフのアームズパークで24対29と追い詰めた歴史的一戦を大学のチームメートと涙を流しながらテレビで見ました。1985年正月の日本選手権では松尾選手率いる新日鉄釜石の7連覇阻止に平尾選手率いる同志社大学が果敢に挑み、国立競技場は熱く揺れました。
平尾氏の名言の一部をご紹介します。
「未来ではない。今の自分がどうなのかが大事なのだ」
「すべての準備は試合前に終えておかなければならない」
「スポーツの魅力は”できなかったことができるようになること”」
「妥協は借金取りに追われているかのように連鎖する」
「スポーツに自己犠牲などありえないと思う。自己を生かすことがチームを生かすことなんだ」
「問題は弱みがあること自体ではない。自信のなさや不安から、他人との間に無意識に壁を作ってしまうことにある。弱さをそのまま表に出せた時、本当の克服のチャンスが生まれる」
「時間って命の一部なんですよ。今の時間を大事にできない人は、未来の時間もきっと大事にはできない。ここで自分らしく生きることができない人には、次なる道は開けない気がするんです」
「人間は、本当に上手になりたいと思ったときにこそ、学習能力を発揮するんです」
53年という、本当に短い生涯を駆け抜けた平尾誠二さん。今頃天国で洞口さんとも話しておられるのでしょうか。ありがとうございました。そして心からご冥福をお祈りいたします。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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