感動ポルノはいらない

NTVネットワークの年1回の大イベント「24時間テレビ」愛と感動がこの番組のコンセプトのようですが、障がいをお持ちの方はけなげに頑張っている、それを見て感動する、というステレオタイプはどうなんでしょう?という番組がEテレでありました。

障がいを持つ方が「素晴らしい存在」で「人々に勇気を与える人」でなくてはいけないのでしょうか。TEDでは2014年12月に亡くなったコメディアン兼ジャーナリストのStella Young(ステラ・ヤング)氏が、従来の「気の毒な障がい者」という枠を破った率直な発言で人気を集めました。ヤング氏は健常者の感動を呼ぶために障がい者を取り上げる風潮を批判し、このような問題に対する社会の理解を求めました。氏は障がいを持つ人がそれだけで感動を与えるものであるというマスメディアを中心とした社会のとらえ方を「感動ポルノ」と名づけました。「ポルノ」という言葉をわざと使ったのです。なぜなら障がい者が奮闘することで感動を与えるという内容の情報は、ある特定のグループに属する人々を、ほかのグループの人々の利益のためにモノ扱いしているからです。障がい者を、非障がい者の利益のために消費の対象にしている、というわけです。

ヤング氏のTEDはこちらでご覧になれます→https://www.youtube.com/watch?v=8K9Gg164Bsw&feature=youtu.be

私も講演のときなどに同僚とともに発表するのですが、「感激しました」という声にも「弱い人を見世物にしているのか」という声にも、なにか違和感を持ち続けてきました。以下に、少し自らの意見をお伝えしようと思いました。


私的な考えをこの場を借りて発信させてください。精神的困難を得
た人たちと一緒に働いて活動するという経験から感じたことです。
ちりもつもれば山となる、という言葉を信じているからこそ、弊法人で
は特別な部署に精神的困難の経験を持つ人々をまとめて配置する
感じではなく、異なった部署でのいろいろな働き方を考えています。
動物が好きな方が動物園の仕事を得るような柔軟な仕事探しの方法
をとってきたすみよし障がい者就業・生活支援センターの、個々人の
売りを大切にした働く事への支援のやり方など、IPS援助付き雇用な
る、かつては耳に新しかった方式を意識し始めてから、かれこれ8年
たとうとしています。いろいろなところで働くことについて気持ちを込
めてお話をさせていただいています。最初は「夢のようなお話しです」
のような感想をいただくことも少なくありませんでした。ですが、異
存や共感を示していただいたり、違った目線でのアドバイス、例えば
在宅で外に出にくい方々に働くことについて伝える方法論など、これま
で私たちが持っていた思い込みを覆してくれるような学びを得られるお
はなしを聞かせてもらえることも増えました。講演とは、人々の交流
あるいはダイアローグと呼ばれるものの一部であり、同じお話を繰
り返しているように見えても、毎回毎回、新たな人々たちとの出会いと
まなびに満ちていると思っています。意識しているのは、障がいがある
せいで人生を狭める必要などないこと、そして人間の可能性とは無げ
んなのだ、と、その場の方々とありふれた事実を共有することなのです

NHK「バリバラ」8月28日放送分【検証!「障害者×感動」の方程式】の再放送は9月2日深夜0時(木曜深夜)にあります。ぜひご覧ください。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。