精神科七者懇談会の障害者年金についての申し入れ

精神科七者懇談会(国立精神医療施設長会議・精神医学講座担当者会議・(公社)全国自治体病院協議会・(公社)日本精神科病院協会・(公社)日本精神神経科診療所協会・(公社)日本精神神経学会・(一社)日本総合病院精神医学会による懇談会)は、精神障害にかかわる障害年金認定についての申し入れ書を厚生労働省に充てて提出しました。

本年 2 月より「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」が開催され、その検討内容に注目しておりました。この中で、「等級判定のガイドライン」案が定められ、「障害等級の目安」と「総合評価の際に考慮すべき要素」が出されていますが、この「等級判定のガイドライン」案に大きな危惧を抱かざるをえないとしての申し入れです。

書面では障害年金を真に必要とする全ての精神障害者が障害年金を受給できるようにすべきであるという観点から、以下のように申し入れています。

1,障害年金等級判定に関わる認定医が、本ガイドラインの「障害等級の目安」と「総合評価の
  際に考慮すべき要素の例」に強く縛られず、柔軟な判定がなされ、障害年金を必要とする
  全ての精神障害者が障害年金を受給できる環境を繰り返し整備すること。
2,特に障害年金の更新時、これまで障害年金を受給していた精神障害者が、障害年金診断
  書においてほぼ同じ状態・評価(前回の診断書と「日常生活能力の程度」と「日常生活能力
  の判定」の平均が同じ)、あるいは状態が悪化したにもかかわらず、障害年金を受給でき
  なくなったり、降級されることがないようにすること。
3,「総合評価の際に考慮すべき要素の例」にある「就労が 1 年を超えてさらに一定期間継続
  している場合は、それを考慮する」を削除し、「精神障害者の就労は何年にもわたり不安定で
  あるので、長期的な視点で経過を見る必要がある」旨の内容に変更すること。
4,障害年金診断書の「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の平均が、その更新
  時、前回の障害年金診断書と変わっていない、あるいは重くなっているにもかかわらず、
  降級となったり、障害年金を受給できなくなった者がいれば、その件数とその理由を年度ごと
  に公表すること。

申し入れの全文はこちらで見ることができます→https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/shougainenkinn.pdf

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。