研究発表大会

さる11月26日、弊法人では第6回研究発表大会を開催いたしました。

かつては看護部の研究発表大会だったのですが、6年前から法人全体での研究発表にテーマを拡大して年1回開催されています。

今年も5つの部署から演題が出され、発表と質疑応答が行われました。

1.薬剤部
  「Clozapine投与によい精神症状が改善し、遅発性ジストニアが改善した統合失調症の1例」

 Q.クロザリルは長いモニタリングが必要だが、医師や看護師との連携をどのようにしたのか。
 A.医師や病棟の看護師により、副作用に見られる白血球減少などの検査を行った。それ以外
   の副作用は、チェック表などを作って発熱やバイタルなどを毎回測るなど、協力して順調に
   進んだ。
 Q.副作用がでなかった理由として、どう考えているか。
 A.看護の方が毎日チェックし、助けてあげたいという、みんなの気持ちが大切だったのでは
   ないか。

2.リカバリーセンター「ハピアすみよしでの地域支援について ~A氏のその後~」
 Q.訪問や金銭管理など具体的に行っている内容を教えてください。
 A.ハピアでは、ハピアでの関わりのみだが、足を怪我してしまったのでアパートに迎えに行った
   り、買い物・受診の同席などをしている。金銭管理に関しては、原則として2年間である。その
   後は、期間をのばしながら、自分で管理できるようにしていきたい。

3.5病棟「精神に障害をもつ高齢者の栄養状態の実態と看護の視点からの提案」

 Q.統合失調症の高齢者の患者さんは、代謝低下や低栄養、低体重、活動意欲の低下が目立
  つので、多職種で取り組むのもいいのでは?
 A.病棟内のみ限られた範囲のため、おやつは生活の楽しみのひとつでもある。そのために作業
  センターや栄養管理部門だけでなく、他職種と協力していきたい。

 Q.BMIの基準値は、年齢に影響しないのか?
  特に年齢での基準はないが、一般的に18.5以下はやせ、25以上は肥満となっている。また、
  病院や施設によっては、基準を定めているのが現状。


4.アルコールセンター「アルコール依存者と家族との関わり ~手紙で家族の想いを伝えて~」
 Q.研究対象者が4名とあるが、どのようにして選んだか。
 A.初回、2回目入院の方はアルコールに対しての否認の方が多いため、その方々の意欲が
   どのように変化していくかを検討した。また、ご家族が研究に協力してくれる方を対象とした。

 Q.結果として肯定的な答えが多かったが、やってよかったことなどありますか?
 A.手紙療法実施後、認めていない方や意識改革がない方がいる一方、家族だけでなく、本人も
   協力的で、自ら家族に対して返事を書いたりと断酒に対して積極的になった方もいた。そう
   いった、断酒継続への期待が高まる行動などをみると、実施してよかったと思う。

 Q.実施するにあたって、家族にどのように伝えましたか?
 A.看護師から、電話や注意点を記載した文章を郵送し、2重でお願いをした。

5.「地域生活準備プログラムの実践報告」
 Q.プログラムが役に立たなかったという2名がいるが、どういった理由ですか?
 A.1人は、人の話を聞くと眠くなるからという理由だった。本人が辞めるというまでプログラムを
   続けた。もう1人は、はっきりとは言わなかったが、話が通じないこともあるからではないか
   と考えている。今でも参加しているので、今後は前向きに取り組んでいってくれるのでは
   ないかと考えている。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。