働いて元気になる!in静岡県精神科薬物療法認定薬剤師講習会

さる12月15日に、同僚と一緒に第6回静岡県精神科薬物療法認定薬剤師講習会でIPS援助付き雇用についての講演をさせていただきました。

  

精神疾患をお持ちの方が働こうと考えるとき、医療、中でも薬物療法は味方にもなるけれど、邪魔になるときもあると私は考えています。「症状が口から語られなくなる」「入院しないで生活している」というのは評価の一つの方法ですが、それが薬を飲んでおられる方のゴールではないかもしれません。IPS(Individual Placement and Support )モデル援助付き雇用は、それぞれの方のゴールに向けての支援をしようとする理念によっています。

  

私たちの法人では、障害者就業・生活支援センターの病院が連携して就労支援を行っています。病院では就労支援サポートチームが活動していますが、企業様をご紹介するのみではなく、院内でも精神的困難の経験者と一緒に働くことを志向しています。そのことで私たち自身も働いて元気になる、を実践できると考えているからです。そして、経験者の立場の方が少しあとから回復の道のりを歩んでこられる人たちをサポートしていくことの有意義さに気付き始めました。今回は弊法人デイケアのスタッフが薬を減らして再就職できるまでの経験から思うことをお話しいたしました。

いただいたご感想のうち、ネットでの掲載をお許しいただいたものの一部をご紹介いたします。

・とっても当たり前のことを今まで意識から抜けていることを自覚しました。働くことを望んでいる
 患者さんに対してのアドバイスを今後もっと具体的に実現できるサポートやアドバイスができる
 よう務めたいです。
・高齢者が増える中でやはり働ける年齢の方は働いて納税してほしい。但しサポートするシステム
 は必須。それを各企業に求めることはかなり負担となり、結果、雇用につながらないのだと思う。
・精神医療に関わる我々があきらめてはいけない。偏見を持ってはいけないことを再認識した。
・自分が勤務している薬局が応需している精神科クリニックも医師・看護師各1名、PSW4名で約
 100名のアウトリーチをしていますが、ACTの一環として、就労支援も積極的に行っています。
 自分の印象として就労により症状も改善していく傾向があるので、大いに進めて頂きたいです。
・人は”働きたい”と思う事が大切と思いました。
・(働くことは)生きがいであったり、自らお金をかせぐことの喜びを得ることは良いことだと思い
 ます。医療者がストップをかけていることが多く、機会が失われている気がします。
・(働くことは)周囲の協力が必要だが、働く意志があるならOK。
・病気を発症する前、そのような暮らしをして、何ができていたのか、薬を飲み出してからどの
 ように変わったのか、スタッフに伝えてほしい。
・人それぞれに適した仕事があることを再認識しました。それを見つけるのが医療者の役割だと
 思いました。
・はたらくことで薬が減るということに驚きました。だれでも、やりがいを持つことは大事なので、
 働くことに賛成です。
・就労に関して無知でしたが、薬剤の整理など薬剤師も一緒に考えていく必要があると思い
 ました。
・誰しも適材適所があるだと思う。
・人にはそれぞれ役割があるはずだと思っています。好きでこうなったんではないし、苦しいのは
 当人だと思いますが、みんなで乗り越えれる壁もあると思います。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。