精神科スタッフと感情表出
- 2012.05.24
- 日記
Berry K, Barrowclough C,and Haddock G:The role of expressed emotion in relationships between psychiatric staff and people with a diagnosis of psychpsis: a review of the litedature.Schizophrenia Bulletin 37(5):958-972,2011
精神疾患を持つ人々とスタッフの間の感情表出(EE)に関する27の研究をレヴューした論文を読みました。精神疾患を得ることにより社会的ネットワークがせばまることにより、精神科スタッフとユーザーの方々との関係性が、ユーザーの方のその後に影響を与えるのは驚くようなことではないとされています。継続的に支援を提供する人々は、ユーザーと多く接する機会を持ちますが、その大部分は十分にトレーニングを受けているわけではありません。このレヴューの対象となった研究のうち、12研究はCFI(Camberwell Family Inteview)、9研究が(Five-Minute Speech Sample)によりEE評価がなされていました。
多くの研究で、スタッフ-ユーザーの関係性における高EEの割合は家族を対象として研究よりも低いものでした。高EEのほとんどは批判的コメントによるもので、敵意や情緒的巻きこまれすぎ(EOI)はまれでした。いくつかの研究では、スタッフは患者によって高EEになったり低EEだったりことが報告されています。
研究結果では、スタッフのユーザーに対する高EEは、家族のそれに比較して転機に与える影響は少ないと考えられました。大規模な調査ではEEよりも積極的なかかわりがあったかどうか、が転機に影響を与える因子と報告されました。
ユーザー側のEEに影響する要因としては、社会的機能のレベルと陰性症状が指摘されました。州タフ側の要因としては、ユーザーの症状などよりも、問題点をどのように認識しているか、また、プロフェッショナルとしてのサポートを得ようとするかどうかで差異が生じていました。
今後は、より長期的にスタッフとユーザーの関係性を直接測定するような研究が行われることが望ましい、とこの論文では締めくくられていました。
アブストラクトはこちらから見ることができます→http://schizophreniabulletin.oxfordjournals.org/content/37/5/958.abstract
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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