アメリカ以外でのIPS援助付き雇用のエビデンス

WPAのウェブサイトから、このようなレヴューに出会いました。

Bond GR, Drake RE, Becker DR.:Generalizability of the Individual Placement and Support (IPS) model of supported employment outside the US.World Psychiatry. 2012 Feb;11(1):32-9.
重症精神病を持っているクライアントのためのIPSモデル援助つき雇用の無作為化試験についてはアメリカでその効果を詳細に示されましたが、他の国に対するその概括は、系統的なレヴューがありませんでした。
Bondらはアメリカ国内外の研究を比較する初めてのレビューを提出しました。
彼らは15件のIPSプログラム(米国内9と国外6)、についての無作為対照臨床試験を特定して競争的雇用についての結果を検討しました。検討事項には雇用率、はじめて働き始めるまでに要した日数、フォローアップ期間中に働いた週数、そして、働いた時間数が含まれました。また、競争的雇用以外の雇用、プログラムにとどまること、ならびに職業因子以外の結果も考慮されました。
結果として、IPSプログラムには、競争的雇用についての因子とより高いプログラムへの連続的参加において、対照グループより有意に有効であるという結果があらわされました。
米国での研究に参加したIPSクライアントのトータルな競争的雇用率は、米国外の研究における競争的雇用率よりも有意に高い結果でした。(62%対47%)
国際的な研究によって、競争的雇用についての結果においてより有効と考えられるIPSプログラムは、本来のIPSモデルに高いフィデリティを持つものである限り、新しい環境によく適合する可能性がある(エビデンスに基づいた実践である)ことが示唆されました。しかし、このことが国際的に適合するかについてはさらに研究が必要である、と筆者らは考えているようです。
論文はこちらからご覧になれます→http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3266767/?tool=pubmed

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。