笑いとこころ

先日読んだ精神科治療学 第26巻12号には次のような論文が掲載されていました。
http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0102/bn/26/12index.html

森圭一郎、森田喜一郎、小路純央:LORETA解析による統合失調症の認知機能。
この論文によれば、健常者群46人と統合失調症者群46人における表情での視覚誘発事象関連電位の特徴を見出すために,LORETA解析により画像にて検討した。その結果、統合失調症者群では「笑い」刺激における扁桃体の活動性の増加が認められ、健常者群では「泣き」刺激における扁桃体の活動性の増加が認められたそうです。つまり、健常者群と異なり「笑い」刺激において扁桃体の活動性が増大することは統合失調症者群の情動認知における特徴であることが示唆されました。

そんな理論とはまた別に、旧聞ですが、1月の家族教室は ラフターヨガ・ティーチャーの深澤ゆきこ先生をお招きして「笑いヨガ」体験でした!

今回は、ご家族もメンバーさんもご一緒のオープンな会としましたので、ケアセンターのホールは多くの参加者でいっぱいになりました。普通は、何かおもしろいことを見たり聞いたりした時に笑いますが、「笑いヨガ」はおもしろくなくても笑える方法です。「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しくなれる」という考えでやっているそうでm“笑える身体づくり”のきっかけになることを考えていらっしゃるとのことでした。だから、ユーモア、冗談、コメディは必要なく、理由なく笑うのです。深澤先生によると、これは笑いの体操と、ヨガの呼吸法をあわせているところから笑いヨガと呼ばれているそうです。体操としての笑いでも、おかしいと感じて笑っても、身体への健康効果は全く同じであるという科学的根拠に基いた方法で、体力が無い人も、笑う環境にない人も、自分で笑いたいと思う人なら誰でもが簡単にできます。1995年にインド人医師のカタリア博士がたった5人で始めたこの活動ですが、現在では全世界70カ国に広がっているという方法です。

笑いヨガは、「手拍子」「深呼吸」「笑いの体操」「リラクセーション」等で構成され、とてもシンプルなものですが、5分間の大笑いは、15分のボート漕ぎマシンに匹敵する運動量だといわれていますが、笑うと快ホルモンが発生するので、つらさを感じることなく楽しい気分で続けることができます。当日は、「顔が疲れる」人が多く、笑うための表情筋が日ごろ使われていないことがわかりました。多くの参加者が笑いに満ちたひと時を過ごされて、週が明けて、デイケアの参加メンバーさんが心底元気になっているのを知り、笑いヨガの効能を実感いたしました。深澤先生に地元にも来てもらいたい!とおっしゃるご家族のお立場の方もいらっしゃるとうかがいました。
笑いも元気も、人それぞれに既に備わっているのだと強く感じたことと同時に、今後も自分自身が笑う時間を増やしたいと思いました。

深澤ゆきこ先生主催の★昭和笑いクラブの連絡先はこちらです→http://waraiyoga.org/index.php?option=com_content&view=article&id=94:kiji-wraiclub-syouwa&catid=95:waraiclub-yamanashi&Itemid=93

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。